Photo Gallery of the 28th Annual Exhibition 2003
19世紀の帆船
28-38
ナイアガラ
Niagara
1813 アメリカ
1/64 モデルシップウェイ社
中塚 裕 Yutaka NAKATSUKA
アメリカ五大湖のひとつエリー湖で建造され海軍のオリバー・ハザートペリー提督の旗艦であった。英国との戦争で活躍し、提督は "Don't Give Up The Ship" の言葉を残した。製作時に船体を着色するかどうかなど迷いながら続けたが、帆船模型はテクニックよりも完成意欲を維持することのほうが肝要であることがわかった。
28-40
ラ・トルネーズ
La Toulonnaise
1823 フランス
1/75 コーレル社
塩谷敏夫 Toshio SHIOYA
フランスのツーロンで進水した美しい快速スクーナー。スペインとの海戦に参加した。キットの船体は不正確なため、線図を書くことから始めた。後日、フランス海洋博物館の正確な図面を入手し、キットとかなり異なることがわかったがすでに手遅れ。帆は初めての経験で、本に書いてあったとおり「豆から挽いた」コーヒーで染めた。
28-41
ラ・トルネーズ
La Toulonnaise
1823 フランス
1/75 コーレル社
山口幸一 Koichi YAMAGUCHI
この模型は伊東屋帆船模型教室に参加して生まれて初めて製作した帆船模型です。帆船のことは何もわからず、講師の指導のもと、どうにか完成に漕ぎつけた船です。今見ると不自然な部分が多くありますが、恥ずかしながらあえて修正せずに出品します。
28-42
オランダの砲艦
Cannoniera Olandese
1831 オランダ
1/86 スクラッチビルト
大津定治
マンチュア社のキット図面を2分の1に縮小して製作したが、装備品の縮小には手間取った。この砲艦はオランダ独特のリーボードと云う卵型の板を両舷側に持っており、浅い海や運河で現代ヨットのセンターボードと同様の役目を果たした。実船はベルギーがオランダから独立する戦争に使われ、ベルギー軍の砲撃で降伏させられたが、艦長は艦を爆破してしまった。
28-43
アン・マッキム
Ann Mckim
1833 アメリカ
1/100 スクラッチビルト
青木 武 Takeshi AOKI
インドから中国へ阿片を、そして中国茶をイギリスに運んだ高速帆船。ボルチモアで造られたこの船はボルチモアクリッパーの原型とも云うべき船であった。ザ・ロープ会員と米国ニューポートニュース海洋博物館を訪ねた時、本船の図面を入手した。昨年はマスト、ヤード、リギングを製作した。図面どおりだと繊細に過ぎ、強度を維持できないので適宜アレンジするのに手間取ってしまった。極力多くの種類の材料を使うように努めた。
28-45
ヨット アメリカ
Yacht America
1851 アメリカ
1/64 マモリ社
前川政司
1851年に英国ワイト島で行われたヨットレースの優勝艇。英国はヨットアメリカによって持ち去られたカップを取り戻そうとして、有名なヨットレース、アメリカズカップが始まった。ワイト島レースでのあまりの速さに「陛下、一着はアメリカ、二着はありません」と報告したという言葉は有名。その後南北戦争等に使われ、1921年以降はメリーランド州アナポリス港に係留保存されている。
28-46
フライング・クラウド
Flying Cloud
1851 アメリカ
1/96 マモリ社
大池 誠 Makoto OIKE
カリフォルニアのゴールドラッシュ時代、ニューヨークからサンフランシスコまでホーン岬経由で航海し、88日22時間の記録を打ち立てて名声を博した。2年計画で製作を開始したが、すでに3年を経過。夏に遅れを取り戻そうと冷房の中で頑張ったらひどい風邪をひいた。模型作りも汗を流してやるべきだったか。ようやく工程の半分まで来たが、4枚のリギング図面を見ると気が遠くなる。しかし、少しづつ帆船らしくなってくると、また次の作業をする日が待ち遠しい。
28-47
高田丸
Takadamaru
1859 日本
1/100 スクラッチビルト
金森弘一
弁財船と呼ぶこのような船は、日本各地を廻り、特に上方から江戸への物資輸送に活躍した。この模型は神戸商船大学の海事資料館に展示してある「安政六年元船十分一絵図 本高田所持」を許可を得て撮影し、これをもとに模型用の図面を描いた。また大阪の「海の時空館」にある「浪華丸」なども参考にした。実船に使われる杉や檜材などは1/100模型では木目が粗くなりすぎるので、代わりに梨やレモンウッドを使った。
28-48
樽廻船
Tarukaisen
江戸時代末期 日本
1/50 スクラッチビルト
今在義忠 Yoshitada IMAZAI
関西から江戸への酒の輸送に使われた弁財船。近年大阪で復元船が造られたが、試験航海の結果、非常に高い帆走性能が確認された。和船の模型は材料の木肌の美しさが出来栄えを左右するので屋久杉を使っているが、上質の材を入手するのが難しくなった。和船の構造はフレームがないので自己流の作り方をあれこれ試しているが、形がキチンと決まりにくいのにはいつも悩んでいる。
コメントをお書きください