
24-67
ノルウェーのガンボート
竹内 久 (会員)
年代 | 1814年 | |
船籍 | ノルウェー | |
縮尺 | 1/48 | |
キット | スクラッチビルド | |
船首尾の大口径のカノン砲は、船首尾線方向に撃つとともに、施回させ両舷に向けることもできた。この場合は手摺りを取り外す。帆装はスクーナーだが、船首に突き出すバウスプリットは大砲との関係から後端がマストに接する特殊な形式である。模型は古本屋で偶然見つけた「北欧のスクーナー」という本に掲載されていた図面をもとにしたが、図面に表示されていたノルウェーのフィートが英国のそれより少し長いことがわかり、作図をやり直した。小さい船だが細かい金属部品が多くて、工
作には工夫を要した。
24-67
Gun boat
TAKEUCHI Hisashi
24-68
ヒヤシンス
金森 弘一 (会員)
年代 | 1825年 | |
船籍 | フランス | |
縮尺 | 1/192 | |
キット |
スクラッチビルド |
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フランスのツーロンで建造されたスクーナーで、アネモネクラス6隻のうちの1隻。フランス海軍の補助艦艇として、兵員や物資の運搬、また偵察や防衛の任務にも就いていた。ロープは直径0.03ミリから0.2ミリまでの5段階を使用した。素材は推定0.01~0.02ミリのナイロンファイバーを使用。これを3本から63本まで、自作の撚り器で燃りあげた。この糸は湿度の関係でかなり伸縮するため、完成後にトラブルが起きないよう湿度60%前後の日を選んで作業した。なお資料はブードリオ氏の図面を使用した。
24-69
ル・オレンク
東 康生 (会員)
年代 | 1848年 | |
船籍 | フランス | |
縮尺 | 1/100 | |
キット |
マモリ社 |
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スティームエンジンと帆装を併せ持つ近代への移行期の艦。外輪帆装フリゲートとしての第一艦でもある。主として兵員輸送に使われた。外輪船の何となくユーモラスな不安定感が好きで、これが3隻目となる。今年こそは何としても出品を…と、20年以上も前にハルを仕上げておきながら放置していたものを引つぱり出し、あらためて仕上げた。船底の銅板も当時ロープのメンバーから分けてもらい保管していたものを貼った。その銅板も20年経つとこんな色になった。
24-70
ジーランド
寿司 範二
年代 | 1860年 | |
船籍 | デンマーク | |
縮尺 | 1/100 | |
キット |
ビリングボート社 |
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24-70
Jylland
ZUSHI
この模型は、以前、帆を張つたスタイルで作ったものだが、見飽きたため、今回は畳帆バージョンに改装した。一度取付けた帆を畳み込む作業は意外に面倒であったが、没頭していると実船で本当に作業しているかのような錯覚に陥り、それもまた楽しいものであった。キットの縮尺はかなり忠実であろうかと思えたが、それでも喫水線以下の形状や寸法は一部手直ししてみた。実船は、当初フリゲート艦として就役したが、後に補給艦や練習艦に変更された。
24-71
北欧の外輪船
肥田 純
年代 | ||
船籍 | ||
縮尺 | 1/50 | |
キット |
ビリングボート社 |
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24-71
HIDA Jun
ビリングボート社のキットを改造して作った。こんな遊覧船が北欧のきれいな湖水を走ったら楽しいだろうと、いつも想像していた。
細かい工作の連続だった。特に、内部の造作や照明などに凝ってみた。組立てと塗装の順番を考えるのに苦労した。模型とはいいながら、きちんとした工程計画が必要とつくづく実感した次第。
24-72
ファントム
野上 吉彦 (会員)
年代 | 1868年 | |
船籍 | アメリカ | |
縮尺 | 1/98 | |
キット |
モデルシップウェイ社 |
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24-72
Phantom
NOGAMI Yoshihiko
ファントムは、ボストン港のパイロットスクーナー船として建造された。1886年3月14日に、ニューヨーク水先案内船No.11の彼女は、ロングアイランドの沖で沈没した英国の客船S.S.オレゴンから852人の人々を救い出した。しかしその2年後の1888年、ニュージャージーのサンデーフック沖で大ブリザードに遭遇し、ファントムは船員とともに失われた。キットは船体がソリッドなので、外板を張り替えたり、その他かなりの手直しを行つた。材料もだいぶ取り替えてある。
24-73
カティサーク
前川 政司 (会員)
年代 | 1869年 | |
船籍 | イギリス | |
縮尺 | 1/75 | |
キット |
ビリングボート社 |
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24-07
Cutty Sark
MAEKAWA Masashi
1869年英国のジョン·ウィリス氏の依頼で建造された963総トン、全長84mの木鉄交造船。彼女はシナ茶をイギリスまで運ぶことを目的に造られたティークリッパーで、最高17ノット以上という帆船時代最後の黄金時代を飾った海の駿馬であったが、不運もあり、ついにクリッパーレースに勝利することはなかつた。1953年以降、グリニッジのドライドッグにて永久保存されている。模型では船体の滑らかな線を出すことに苦労した。
24-74
カティサーク
島津 智嘉
年代 | 1869年 | |
船籍 | イギリス | |
縮尺 |
1/80 |
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キット |
イマイ社 |
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24-74
Cutty Sark
SHISMAZU Tomoyoshi
カティ·サークは現在も大切に保存されているクリッパーシップの傑作である。この模型は2作目だが、出品は今回が初めて。初心者なので国産のイマイのキットを選んだ。船体は割合楽に出来たが、銅板張りには泣かされた。この船に銅板がないとサマにならないと自分に言い聞がせて頑張った。また、ロープ張りも苦労の連続。ロープは帆船の象徴なの
で、これも手を抜くわけにいかない。言うに言えない苦労の末に完成し、大いなる感動と喜びに浸っている。
24-75
スパヤウアー
岩倉 義昌(会員)
年代 | 1884年 | |
船籍 | オランダ | |
縮尺 |
1/15 |
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キット |
ビリングボート社 |
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シュペルヴェルと発音するのだろうか? この美しい船のオーナーであった英国人M. Minshall は、1932年サザンプトンからライン、ドナウ川を通ってルーマニアまで3年間の航海に出た。途中資金が底をついたこと等から黒海で航海を終え、彼女はベルギーで売却された。1948年オランダの博物館が彼女を購入して完璧に復元、今も同博物館に展示されている。
船体のカーブを出すため、外板1枚ごとに型紙を作っては仮付けし、それをマホガニー板に写して船体と微調整、そして接着。この作業に2年半を費やした。この外板が見所と自負している。
24-76
ピーターボロ・カヌー
渡邊 晋(会員)
年代 | 19世紀後半 | |
船籍 | カナダ | |
縮尺 |
1/12 |
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キット |
ミドウエスト·プロダクト社 |
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ピーターボロ·カヌーは古来の木のフレームに獣皮を張ったインディアンカヌーをもとに、ヨーロッパの造船技術を用いてカナダ、オンタリオのピーターボロ周辺で木材を使って造ったことからこの名が付いた。
以前からカヌーの模型を造りたく、図面を探していたがなかなか見つからず、諦めかけていたところ、たまたまカヌーのキットがあるのを知り飛びついたもの。
24-76
WATANABE Shin
24-77
インデアンガール・カヌー
渡邊 晋(会員)
年代 | 19世紀後半 | |
船籍 | アメリカ | |
縮尺 |
1/12 |
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キット |
ミドウエスト·プロダクト社 |
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アメリカ、メイン州では獣皮に代わりカンバスを張つたカヌーを造った。これは木製に比べ安価であり、また木工技術も要しないものであった。これを木製にしたのがインデアンガール·カヌーである。
カヌーは造形的には単純な船なので、塗装を美しく仕上げることに留意した。塗料はカシューを使用し、塗っては研ぎ、塗っては研ぎして、てかてかの表面に仕上げた。またシートの材料は色々考えたあげく、細いカンナくずを編んで作った。
24-78
マリー・ジャンヌ
永田 研三(会員)
年代 | 19世紀後半 | |
船籍 | フランス | |
縮尺 |
1/50 |
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キット |
スクラッチビルド |
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鮪トロール漁船。船の両弦前方に立つ2本の竿は長さが20メートルもあり、普段は立ててあるが、トローリング中は水平に降ろされる。前回出品した同船と一緒に同時並行作業で作った2作目。1作目がキットの材料中心なのに対し、こちらは全ての材料を調達し、金属部品から帆まで全て自作である。1作目はオイルステインの濃い着色であったが、今回は着色は水線下のみとし、他はワトコオイル仕上げとして、すつきりした塗装となった。前作の反省を生かしながらの工作で、ほぼ満足のいくも
のとなった。
24-80
ラ・キュリューズ
肴倉 忠 (会員)
年代 | 1912年 | |
船籍 | フランス | |
縮尺 |
1/40 |
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キット | スクラッチビルド | |
ラ·キュリューズは1912年から14年の2年間に、南極や大西洋、インド洋などの探検に活躍した。各地の島々を探検し、地理学や動植物学上大きな研究成果をあげた。当時の探検には通常沿岸貿易船や漁船が多く使用されたが、この船は最初から探検用に建造されたものである。
金属パーツの製作(半田付け等)と図面の解読(リギング関係)に苦労した。
24-81
ラ・キュリューズ
中瀬 明男 (会員)
年代 | 1912年 | |
船籍 | フランス | |
縮尺 |
1/40 |
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キット | ビリングボート社 | |
24-81
La Curieuse
NAKASE Akio
この船のように、前のマストに横帆を持ち、その他は縦帆という艤装を持つた船をトプスル·スクーナーという。ただしラ·キュリューズはエンジンも併せ持った機帆船である。帆船模型を始めて、4隻目で初めて帆を作った。ミシンが初体験とあって、雑巾縫いから練習を始め、知り合いの方々に不出来な雑巾を配つて歩いた。純粋な帆船から汽船への過渡期的な船であるため、19世紀と現代の船を同時に造っているような感じがした。
24-82
ベント
堀川 洌 (会員)
年代 | 1930年 | |
船籍 | デンマーク | |
縮尺 |
1/16 |
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キット |
ビリングボート社 |
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24-82
Coastboat Bent
HORIKAWA
北海の流し網漁船、接岸は浜辺に船首から乗り上げ、出港は波を利用し自力で離岸した。そのため船底は平坦に設計されている。肥満体のデザインは「でぶ」と呼ばれた。機帆船の力強い機能感と漁船が持つ生活臭を表現するため、甲板、舷側の色彩に手をかけた。舷側上部は幼時の頃の記憶に残っていた焼玉船のイメージを再現した。
今回の作品は機能美について考えさせられ、使いこなされた船体が発するイメージが、終戦時の頃に見た東北地方の黒いドーナツ状の煙の焼玉エンジン船と交錯している。
24-83
エンデバー
大石 將司 (会員)
年代 | 1934年 | |
船籍 | イギリス | |
縮尺 |
1/80 |
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キット |
アマティ社 |
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1934年に北米東海岸のニユーベッドフォード沖で行われたアメリカズカップへのイギリスの挑戦艇である。レースでは惜しくもアメリカのレインボーに敗れた。船底部の平滑な塗装は初めての経験で、塗つては落としの繰り返し、結果的に決して満足いくものにならなかつた。
また帆の製作も家内に手伝ってもらってやっと仕上げた。
24-83
Endeavour
OISHI Masashi
24-84
ブルーノーズⅡ
岩永 純子
年代 | 1964年 | |
船籍 | カナダ | |
縮尺 |
1/100 |
|
キット |
ビリングボート社 |
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24-84
Bluenose II
IWANAGA Junko
初代のブルーノーズは1921年カナダで建造されたスクーナ一型の美しい漁船で、多くのレースに勝利し「最速のヨットを追い抜ける漁船」として名声を博した。同船は1946年に座礁し失われたが、人々の記憶の中に生き続け、1964年に二世として蘇った。
帆船模型はこれで3隻目。リギングは会の方々のご指導で細目のロープを使いました。でも船体の磨き込みは穴が開きそうで怖くなり不足気味、次回作品では頑張ります。
24-85
サー・ウインストン・チャーチル
小林 正博 (会員)
年代 | 1665年 | |
船籍 | イギリス | |
縮尺 |
1/75 |
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キット |
今井科学 |
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船名は第二次大戦時の英国の首相に因んだものである。1964年にセール·トレーニング·アソシェーションが寄付金を集め、エジンバラ候をスポンサーとして本船の建造を実現させた。1976年の大西洋横断レースには、42名の女性実習生を乗船させて世界から注目を集めた。
模型ではカラー仕上げに最も苦心した。外板の隙間は瞬間接着剤で埋め、クリアーラッカーとテンカ粉で作ったサンディングシーラとサフェーサーを塗り、水砥仕上げをした。上塗りはミスターカラーを使用している。とにかく時間がかかつた。