第30回帆船模型展-1

Photo Gallery of the 30th Annual Exhibition 2005

17世紀以前の帆船


30-1 ファラオツタンカーメンの聖なる船

Pharaoh Holy Ship of Tutankhamun

BC135 エジフト

1/400 スクラッチビルト
津久居 廣 Hiroshi Tsukui


ランドストロームのイラスト本にある絵を基に製作したもので、4000年前のツタンカーメン王時代の御座船。船体はパピルス船型で、帆とオール漕ぎで航行した。エジプトには針葉樹の杉が産出しないため、遠くレバノンから輸入して建造したらしい。この模型にも、同じ針葉樹であり、きめが細かく、丁度実船の杉の木目をスケールダウンしたような表現の出来るヒノキを使用した。



30-2 聖母マリア

Nostra Senora

年代不明 

スクラッチビルト

岩倉 義昌 Yoshimasa Iwakura


国籍は不明てあるか、作者によれば、船名から13世紀後半のキリスト敦国の軍船と思われるとのこと。イタリアの槙型図面設計者、故ルッシィ氏の模型製作本に記載の1枚の図面(というより絵に近いもの)から製作した。正確な図面がないことが幸いし、細かいことは気にせず反対にこんな所までと思うところにはこだわって、自己満足の船を4年かけて完成した。詳細で正健な縮尺図面から作る精密帆船模型以外に、資料か少なくて苦しみなから(時には楽しみながら)作るのも帆船槙型の醍醐味の一つではないでしょうか?



30-3 サン・ファン・バウティスタ

San Juan Bautista

1588 スペイン

1/55 デアゴスティーニ社

赤股 清 Kiyoshi Akamata


1588年のアルマダの海戦で、イギリスとの戦闘に敗北したスぺイン艦隊の一隻。キットは部品が毎週少しずつ2 年間供給され、組立てていくもの。マストはテキストによると固定されていないので、ステイの取り付けに手間どった. 工作船台の調子が悪く、途中で転倒し、これによる損傷の修理に時間を取られた。これを機にマスト等を接着剤で固定した。



30-4 サン・ファン・バウティスタ

San Juan Bautista

1588 スベイン

1/55 デフコスティー二社

伊藤 喬一郎 Kyoichiro Ito


イギリス海軍との戦闘で敗れたスベイン連合艦隊アルマダの1隻。慶長18年伊連政宗がロ―マ法王に派遣したバウティスタ号は同型船で日本で建造され、復元船は石巻に係留されている。毎週一回分割して発売されるキットは、図画も無く詳細が不明のため独自に改造して製作した。



30-5 ラ・クローンヌ

La Couronne

1636 フランス

1/98 マンチュア・セルガル社

高橋 恒夫 Tsuneo Takahashi

 

フランス海軍がイギリス海軍に対抗するため、オランダやイタリアの造船技術を取り入れて建造した砲72門を持つガレオン船の面影を強く残す二層艦。1,200トン、全長46mは当時最大の戦艦。船体曲線の美しさに魅せられて製作したが、外板の曲線を出すために想像以上の苦心と戦いの連続であった。自作したパーツも多い。



30-6 ラ・クローンヌ

La Couronne

1636 フランス
1/100 コーレル社

須藤 進 Susumu Sudo


イギリスが建造したソブリン・オブ・ザシーに対抗して、フランスが建造した二層の大型戦艦。ソブリン・オフ・ザ シーは船体全体を覆う装飾に金箔を張り、国内外から「黄金の悪魔」と恐れられた。ラ・クロ一ンヌの船首・船尾の美しさは屈指のもので、模型展では定番帆船と言われている。作者日く、上手下手よりもこの年になると今日も何かに打ち込めることが元気の元だと思い、頑張っておりますとのこと。作者は御歳77才。



30-7 ヘムスケルク

Heemskerck

1638 オランダ
1/75 スクラッチビルト

梅田 安次 Yasuji Umeda


1642年、タスマンが南太平洋から南米に至る航路の探検・開拓に使用した。この航海で偶然にタスマニア島、ニュージーランドを発見した。船首尾の装飾品等を彫刻するに際し、小さいために指先での固定が不十分で、何度となく仕上げる寸前に飛ばしてしまい紛失、伺度も同じものを作るはめになった。ルーターで指先も削ってしまった。The Ship of Abel Tasumanの図面を使用した。



30-8 ヨット・メアリー

Yacht Mary

1646 イギリス

1/54 マモリ社

岩波 昇 Noboru Iwanami


1660年、オランダに亡命していたチャールススチュアートが王政復古に成功して故国イギリスに帰り英国王チャールスニ世になった時、アムステルダム市は彼のお気に入りであったこの船を英国王に寄贈した。英国では十年間ほど海軍の艦艇(王室ヨット)として使用し、その後政界、財界の重要人物の沿岸航行に供された。王室用のヨットだけに、装飾は家華に見えるようにキットに手を加えた。特に帖尾ランタンは自作し点灯式にした。またリギングは同型のヨットの資料を参考にした。



30-9 ワッペン・フォン・ハンブルグ

Wappen Von Hamburg

1667 ブランデンブルグ

1/50 コーレル社

吉村 正 Tadashi Yoshimura


ドイツ東部にあった王国ブランデンブルグが当時造船の先進国てあったオランタに依頼して建造した砲62門搭載の戦列艦で、舵輪を初めて採用したとされている。フランデンブルグという国は今はないが、バルト海に面した東ドイツの地域に属し、ベルリンはほとんど同国に含まれていた。キットの船首尾の飾り郡分を合わせるのに苦労した。イタリア語は分からない!



30-10 プリンス・ウイレム

Prins Willem

1650 オランダ

1/100 コーレル社

田中 武敏 Taketoshi Tanaka

 

オランダ東インド会社が建造した武装商船で、アムステルダムとバタビア(現ジャカルタ)間を航海した。長崎ハウステンボスに復元船が現存した。仕上は自分の好みで、生地を生かしたワトコオイル仕上げとし、ワトコのカラーを使用して濃法のコントラストを出した。加えて金属部分は塗装してキラキラを押さえて落ちついた色調にした。キットの図面には曖昧な箇所が多いので、先先の工程を予測しながら進めてい<必要がある。



30-11 ボンバルダ 

Bonbarda

1670 フランス

1/80 アマティー社

牧野 忠孜 Tadashi Makino


陸戦用の大口径の臼砲を搭載したボム(爆弾)ケッチという種類の船。前マスト付近に2門の臼砲を乗せ、船体を補強して90kg近い大型の榴弾を放物線状に発射し、主として陸上の城壁なとの目標に大損雲を与えることが出来た。キットには Museum qualiy model とあるが、甲板にはキャンバー(左右の膨らみ)とシアー(前後の反り)がなく、またリギングにもおかしな点が多く見られた。これらを類似艦の図画を調べ、修正する作業は大変勉強になり楽しかった。



30-12 ボンバルダ 

Bonbarda

1670 フランス
1/80 アマティー社

塩谷 敏夫 Toshio Shioya


陸上では重くて扱いにくい臼砲を船に乗せ、機動力を持たせようというアイデアにより、フランスで生まれた異色の軍艦である。キットは作りやすくするためか平らな甲板になっており、これらを修正するためシアーとキャンバーを付けたフレームを追加した。合金製の船尾の飾りも船体に合わないため、樹脂で型を取り造り直した。これらは初めての経験であり楽しくも苦労した。



30-13 ネプチューン

HMS Neptune

1692 イギリス
1/90 コーレル社

染谷 文男 Fumio Someya


1692年ヘーグ沖での英仏海戦でRooke提督の指揮の下、Tourvie提督率いるフランス海軍を打ち破った艦で、大砲58門を持つ第3級戦列艦。外装の装飾が美麗だったことは、豪華絢爛だったプリンス号と比較され、小ブリンスと称された。