帆船模型のロマンを追い続けて、 半世紀

ザ・ロープが発足以降の50年を、会報『ザ・ロープニュース』、ホームページ、ブログ『ロープを知る』、総会・例会資料、作品リストなどの資料をもとに10年単位に区切って章立てし、振り返ったものです。
1975年に銀座伊東屋の帆船模型売場での仲間の出会いをきっかけにして誕生したザ・ロープは、翌年1月には第1回展示会を開催します。手探りの状態で模型を集めて大変な苦労の末、開催に漕ぎつけたときの様子は、出品リストなどからもうかがい知ることができます。その後は、展示会の毎年開催へ模索しながら針路をとり始めた時期でした。
主なできごと
1975.10 ザ・ロープ発足
1976. 1 第1回展示会を銀座・伊東屋を会場に開催
1982. 1 東 康夫・竹内 久 共著『帆船模型』(カラーブックス) 出版
発足10年を経過したザ・ロープは順調に針路をとりながら航海を続けます。18年目の1993年には会員数も80名を超え、会報『ザ・ロープニュース』を定期発行。「情報の伝達、ベテラン会員の技術の紹介などを通じて、会員の知識・技術の向上をはかり、会員相互および国内外の同好会と親睦交流する機会を得る端緒になれば(栗田善一郎会長)」との狙いでしたが、いま振り返ると、ザ・ロープの航海日誌(活動の詳細な記録)はここから始まっているともいえます。
主なできごと
1991. 7 『帆船夢工房 世界の帆船精密模型展』へ協力出品
1993. 6 会報『ザ・ロープニュース』を創刊
1994. SMAの招待を受け、WSMC&Eへ初参加
ザ・ロープの会員数は23年目の1998年には100名を超えました。展示会の出品作品数も拡大を続け、2000年の25回展には「出品数80点 (会員49点,一般31点)。入場者8449名。この調子で行くと展示会が狭くなり見学者来訪者に迷惑がかかるので役員会で討議中」との記録も残っている。1998年には他同好会に先駆け、ホームページを開設したほか、2004年には国内の同好会の連合体としてJSMCCが組織され、船の科学館『羊蹄丸』にザ・ロープの常設展示場と工作室『夢工房』がオープンした。
主なできごと
1995. 5 米国海事博物館 The Mariners’ Museum and Park 主催1995年度展示会に奥村会員、坪井会員出品
1998.10 ザ・ロープのホームページを開設
2004. 7 船の科学館 「羊蹄丸」内にザ・ロープの常設展示場
ザ・ロープは創立以来、帆船模型展示会の開催会場の提供をはじめ、銀座伊東屋から有形無形の多大な支援を受けていましたが、伊東屋本店の建て替えが決定し激震が走りました。2011年の第36回展からは、新たに会場を有楽町駅前の東京交通会館に移したほか、研修や教室会場も貸し会議室で対応することになり、さらに2011年に「船の科学館」も一部休館となるのに伴い常設展示場も撤収を余儀なくされるなど、四面楚歌で新たな対応を迫られた時代でした。
主なできごと
2009. 9 JSMCC主催で第1回 全日本帆船模型展を船の科学館で開催
2010. 1 銀座伊東屋を会場とする最後の展示会
2011. 1 有楽町・東京交通会館で最初となる第36回展を開催
2011. 7 研修会を貸し会議室・水道橋「内海」で新たにスタート
2011. 9 船の科学館休館により、夢工房、常設展示場も羊蹄丸から撤収
2012. 4 公式サイトを全面リニューアル theropetokyo.org
ザ・ロープはいち早く海外に目を向け、海外同好会との交流を深めてきました。2014年には英語版会報を発行、2016年には英語HPを立上げ、海外向けの情報発信は質量ともに強化されました。2017年長崎キリシタン大司教区より大浦天主堂の博物館向けにマニラ・ガレオン船の製作依頼を受け、PTを結成して取り組み、2019年に納品。2020年からはコロナ渦で展示会を初めて中止にするなど、会の活動も少なからぬ制約を受ましたが、オンライン会議ツールのZoomを導入して対抗し中級講座、構造模型製作講座を相次いで開講し、技術の継承をはかっています。
主なできごと
2015. 8 海外向け英語版会報 TheRopeNews 発行
2016. 12 海外向け英語版ホームページ を立ち上げ
2019. 6 中級講座を開講 途中コロナ感染拡大するもZoomを活用
2020. 3 新型コロナウィルウス感染予防のため、展示会初の中止
2020.10 構造模型模型製作講座を開講 Zoomを活用、特設ページ開設
2021. 8 シドニーの海外同好会 SMSCとの交流開始