第44回ザ・ロープ帆船模型展 (1/5)

Photo Gallery of the 44th Exhibition 2019



44-01

バイレム(二段櫂船)

建造年/年代: 紀元前6世紀
国籍/建造地: ギリシャ
縮尺: 1/72
キット/自作: Dusek
製作者: 川島 壮介
製作期間: 3ヶ月

紀元前6世紀頃のガレー船で50本のオールを片舷に25本ずつ上下に配し、50人の漕手と10人の兵士を乗せ、先端の衝角で敵船の横腹に穴を空け沈めたり、オールをへし折ったりした。戦いのときは漕手諸共相手に切込み、戦った軍船である。帆走は戦闘以外の航海時のみ使用した。43回展の時偶然手に入れたキットで、会のプロジェクトの片手間にできると始めたが、私には手強いキットであった。苦労したのはプランキングでキットの大きさに比べ材料(ウォルナット)の板厚大のため思うように曲げられず、結局塗装で誤魔化す羽目になった。

44-01

Bireme

Period:

6th Century BC

Nationality: Greek
Scale: 1:72
Kit: Dusek
Built by: Sosuke KAWASHIMA
Work devoted: 3 months


44-02

ゴクスタットのバイキング船

建造年/年代: 9世紀
国籍/建造地: ノルウェー
縮尺: 1/72
キット/自作: Dusek
製作者: 三木 克哉
製作期間: 1年

1880年にノルウェーのゴクスタットの墳墓で発掘されたバイキング船。復元船が製作されノルウェーからアメリカへの模擬航海が行われた。現在は発掘船、復元船ともにオスロのバイキング博物館に展示されている。バイキング船は時代が古いにも拘らず墳墓に共葬されたおかげで、多くが元の形を維持したまま発掘されており、当時の構造が判る。同時代の我が国の遣唐使船などは痕跡もなく、絵図から想像するだけに対し、朽ちているとはいえ現物が発掘されている事実にワクワクする。TVドラマのバイキングを動画で見ながら、自由に発想して半スクラッチビルトで楽しく製作した。

44-02

GOKSTAD ship

Period: 9th Century
Nationality: Norwegian
Scale: 1:72
Kit: Dusek
Built by: Katsuya MIKI
Work devoted: 12 months


44-03

ハンザ・コグ

建造年/年代: 14世紀
国籍/建造地: ドイツ
縮尺: 1/72
キット/自作: Dusek
製作者: 木村  護
製作期間: 8ヶ月

北海・バルト海沿岸に成立したハンザ同盟で、14世紀に汎用的に使用された船はコグであり、本作品は14世紀の初めに交易で活躍した大型船であり、ブレーメンのペナントを掲げている。

近代船の製作が続いたので、クリンカー貼りに興味を持ち、手軽なキットを選んだ。レーザーカットの部品は精度も高く、順調に製作が進んだ。キットは細部まで検討されているのでほぼキットの指示通り進めた。ただしクリンカー貼りの釘跡の追加や、帆装関係は関連資料から一部追加修正した。

44-03

Hanseatic Cog

Period: 14th Century
Nationality:  German
Scale: 1:72
Kit: Dusek
Built by: Mamoru KIMURA
Work devoted: 8 months


44-04

コカ

建造年/年代: 15世紀
国籍/建造地: スペイン
縮尺: 1/76
キット/自作: Amati
製作者: 堀岡 長紀
製作期間:  14ヶ月

14・15世紀ころ、地中海や北大西洋沿岸で使われていたコグ(小型輸送船)。この模型の原型は15世紀中頃スペイン・バルセロナ近くのマタロ教会に奉納されたもので、現在はロッテルダムのプリンス・ヘンドリック海事博物館に展示されており、世界最古の帆船模型と言われている。船体と同じ長さの一本マスト、船首と船尾のヤグラ、甲板を支える横梁は船外に突き出ている。船首下の外板は斜めの鎧張りとなっているなどが特徴である。船体が地味なのでセールを紅・白の縦縞模様としてみた。

44-04

Coca

Period: 15th Century
Nationality: Spanish
Scale: 1:76
Kit: Amati
Built by: Takenori HORIOKA
Work devoted:  14 months


44-06

サン・ファン・バウティスタ

建造年/年代: 1614
国籍/建造地: 日本
縮尺: 1/80
キット/自作: Woody Joe
製作者: 今野 幸一
製作期間:  10ヶ月

慶長遣欧使節のため伊達政宗の命により建造されたガレオン船です。全長55.35m・全高48.8m・排水量500t、45日間で建造されたと東藩史稿にあります。太平洋を2往復した後、マニラでイスパニアに売却され、その後の消息は不明です。

工夫としては、セールの汚しにエア・ブラシで水性塗料を吹き付け、筆塗りの白で整えた。反省点は隔壁間にフィラーを入れなかったためフレームが浮き出てしまった点です。次回作ではこれらの点を踏まえワンランク・アップのテクニックに挑戦したいと思っています。

44-06

San Juan Bautista

Period: 1614
Nationality: Japanese
Scale: 1:80
Kit: Woody Joe
Built by: Koichi KONNO
Work devoted:  10 months


44-07

アポストル・フェリペ

建造年/年代: 17世紀頃
国籍/建造地: スペイン
縮尺: 1/60
キット/自作: OcCre
製作者: 平沢   豊
製作期間: 2年

ガレオン船と呼ばれるタイプで、船首楼と2層の船尾楼、3本のマストを備えています。インド航路などで金や宝石などを自国に運搬していたようです。ときに海賊から襲われることもあり、大砲を備えております。

初めての本格的な帆を張った作品です。リギングをはじめ、まだまだ技術的な課題を感じております。

 

44-07

Apóstol Felipe

Period: Around 17th Century
Nationality: Spanish
Scale: 1:60
Kit: OcCre
Built by: Yutaka HIRASAWA
Work devoted: 2 years


44-08

ル・フェニックス

1989 1664
国籍/建造地: フランス
縮尺: 1/75
キット/自作: スタブ(装飾部品のみ)
製作者: 安藤 雅浩
製作期間:  6ヶ月

ル・フェニックスはフランスが栄華を極めたブルボン朝時代の1664年、太陽王ルイ14世により建造された三層甲板84門の第2級戦列艦。舵の操作は垂直棒を左右に動かして舵取りする舵柄(だへい)付き舵をもった最後の戦列艦で、以降の舵操作は舵輪式になっていく。海軍工廠ツーロンで建造、排水量1,500 t。

フランスのAAMM(国立海事博物館友の会)図面とスタブのスターン部装飾部品から製作したスターン部分のカットモデル。スタブの精緻なスターン部品のキットに魅せられた。

44-08

Le phénix

Period: 1664
Nationality: French
Scale: 1:75
Kit:  
Built by: Masahiro ANDO
Work devoted:  6 months


44-09

ラ・クロンヌ

建造年/年代: 1636
国籍/建造地: フランス
縮尺: 1/105
キット/自作: 自作
製作者: 吉田 哲朗
製作期間: 5年

フランス、ルイ13世時代の主力艦。30年ほど前にパリのスタブ社で金属オーナメントと図面を購入した。名古屋在住中、ロワイヤル・ルイ完成後フレーム・モデルとして製作した。船体の主材はマホガニー、結局スタブのオーナメントは使用せず、エリマキ材で自作、また手すりの支柱は紫たんから削り出した。

 

使用図面:Vincenzo Lusci

44-09

La Couronne

Period: 1636
Nationality:  French
Scale: 1:105
Kit: Scratch-built
Built by: Tetsuro YOSHIDA
Work devoted: 5 years


 42-27 オランダ海軍省の造艦会議 1:33 坪井悦朗 TSUBOI Etsuro
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