第28回帆船模型展-3

Photo Gallery of the 28th Annual Exhibition 2003


18世紀の帆船-2


28-26

ビクトリー

H. M. S. Victory

1765 イギリス

1/48 スクラッチビルト

白井一信 Kazunobu SHIRAI

 

全部作ると全長2㍍、家屋の事情からここまでで完成とした。結局ここまでで10年弱を要した。何しろ有名でかつ現存する船のため詳細な資料が多くあり、資料がある異常それに従わねばと0.1㍉単位で正確さを追求した。滑車のサイズもしかり。ロープ類についてもすべて0.1㍉単位で直径をあわせ、太さのみならず右撚り左撚りも実物どおりとした。戦列艦製作の作業量の多さは桁違いで、ラットライン(縄梯子)の結び目だけで2千箇所弱、もうこりごりである。



28-27

ビクトリー

H.M.S. Victory

1765 イギリス

1/300 スクラッチビルト

坪井悦朗 Etsuro TSUBOI

 

全長34㌢㍍のミニチュアビクトリーで昨年に続いての出品であるがものが小さいために作り直しの連続に鳴った。ロープをクリートやビレイピンに結んだり、滑車に通す作業でジブブームを3回も折った。デッドアイ下のチェーン(0.15㍉の真鍮線)を黒くするのに、ガンブラックを薄めて腐食染めしたら1年間で切れるところがでてきて、その補修には非常に手間取った。これからも切れていくかと思うと戦々恐々である。



28-28

ラトルスネーク

Rattlesnake

1779 アメリカ

1/64 マモリ社

西明秀哉 Hideya SAIMEI

 

1779年プリマスで建造された3本マストの小型艦で、独立戦争の時、アメリカの私掠船として活躍したが、英国にだ捕された。この模型は上甲板は枠組みだけにして甲板を貼らないで内部が見えるようにしてある。滑車類はキットのものを使わずにすべて自作し、取り付け方法もホンモノに近い工法になっている。目を30㌢㍍まで近づけて見てください。



28-29

ラトルスネーク

Rattlesnake

1779 アメリカ

1/64 マモリ社

染谷文男 Fumio SOMEYA

 

設計から製造まですべてアメリカ人が手がけた最初の船で、独立戦争の時、アメリカの私掠船として活躍したが、英国にだ捕された。大砲14門から20門を搭載し排水量に比べて武装が多く、操船の良いコルベット艦であった。船首甲板と後甲板を連結する渡り廊下は戦闘時には取り外された。この模型では船首部分の金属飾りを船体に取り付ける作業に苦労した。



28-30

オンタリオ

H.M.S. Ontario

1780 イギリス

1/100 スクラッチビルト

梅田安次 Yasuji UMEDA

 

この模型は本の参考図面をもとに製作した。実船はカナダの独立戦争時に英国海軍のオンタリオ方面作戦用に建造されたもので、半年後にナイアガラ近くを航行中に大嵐に遭遇して沈没した。100年後、沈没状態で発見され、船体の一部が引き上げられた。



28-31

バウンティー

H.M.S. Bounty

1784 イギリス

1/64 マモリ社

渋谷 篤 Atsushi SHIBUYA

 

英国海軍で起こった叛乱で歴史に名を残した船であるが、実船は英国海軍が民間の船を購入し改装して特別任務艦にしたもの。アフリカからの奴隷の食料用にタヒチ島にあるパンの木を植民地に移植させるために出航したが、ブライ艦長の過酷さに帰路で叛乱が起きた。この模型のキットには帆の図面がなかったので、同時代の帆船のセールを参考にして帆を製作した。



28-32

トナン

Tonnant

1793 フランス

1/50 コーレル社

三上裕久 Hirohisa MIKAMI

 

大きな帆と沢山の小口径砲をもち、高速で航行する私掠船で、海賊船との違いは、私掠船は国の承認を得ている証として国旗を掲げていた。しかし実態はご都合主義で、時には海賊行為も行っており、取り柄は海軍に拿捕されないことぐらい。この模型はこの種の船の代表的なもので、船体の塗装を金色にしているのはお祝い用に製作したため。



28-33

ハンター

Hunter

1797 イギリス

1/72 マモリ社

高橋恒夫 Tsuneo TAKAHASHI

 

英国海軍が密輸業者の取り締まりのために建造した武装カッターで大砲12門にカルベリン砲14門を装備していた。頑丈で操船のし易さから密輸取り締まり以外に沿岸警備、敵情偵察や港湾探索測量などにも使われた。キットのグレードアップに約4割の装備品をスクラッチで製作したが、加工が思うように進まず何度も作り直した。



28-34

ハンター

Hunter

1797 イギリス

1/72 マモリ社

肴倉 忠 Tadashi SAKANAKURA

 

英国海軍が建造した1本マストの武装カッターで、小型で頑丈な船体に比較的強力な武装をもち、密輸取り締まりのほかに沿岸警備や敵情偵察、港湾探索測量などの軍事用にも使われた。青森にお住いの肴倉さんの作品で、製作にはリギングに苦労したとか。



28-35

ハンター

Hunter

1797 イギリス

1/72 マモリ社

安倍昭彦 Akihiko ABE

 

七十の手習いで伊東屋帆船模型教室に参加して生まれた初めて作った帆船。先生のご指導、同級生同士の切磋琢磨、そして家内の手助けもあり、皆に遅れながらも完成できた。特に外板貼りには苦労、思うように板が曲がらず、やたらにまち針で抑えた結果、板は割れるし、指にはタコができるしで大変だった。しかし完成品をなばメルト苦労も吹っ飛んで、また次に挑戦したいという気持ちが湧いてくる。



28-36

コンスティテューション

U. S. S. Constitution

1797 アメリカ

1/93 マモリ社

倉谷恭平 Kyohei KURATANI


米国海軍が建造した最初の大型フリゲート艦。1812年~15年の対英戦争で華々しい戦果をあげた。1830年には解体宣言も出されたが、一市民の書いたこの船に寄せる詩が人々の感動を呼び、現在ボストンに現役の扱いで保存されている。海に浮かんだ状態で保存されている帆走艦では最古のもの。初めての大型艦の製作なので緊張して取り組んだ。また、大砲の数も多く、その据え付け方に苦心した。現役の軍艦を無事に就航させることは難しいことです。



28-37

プリンス・ド・ヌーシャテル

Prince de Neufchatel

1812 アメリカ

1/64 モデルシップウェイ社

中山良夫 Yoshio NAKAYAMA


独立戦争間もないアメリカは、英仏戦争に中立の立場を堅持していたが、世論の高まりで1812年英国と戦争になった。本船はそのとき活躍した快速ブリガンティーンで、もともとは私掠船。船名のフランス語は、米国海軍の育成にフランスが貢献していたため命名されたという。この模型は3隻目。伊東屋の帆船模型売場でプライド・オブ・ボルティモアを買い求めに行ったが在庫がなかったので代わりに購入したもの。船体の外貼りに予想以上の時間を要した。キットの説明書は豊富な写真入りでわかりやすい。