THE ROPE 50TH ANNUAL SHIP MODEL EXHIBITION 2025

50-49
ブラックパール
大橋 洋二(一般参加)
年代 |
18世紀 |
船籍 | ー |
縮尺 | ー |
キット | アシェット |
製作期間 |
2年 |
アシェット・ジャパンから発売されていた「伝説の海賊船ブラックパール号を組み立てよう!」は、2011年発売、全101号で構成され、各号の組み立て手順は詳細で初心者でも取り組みやすい。ジャック・スパロウが語る「自由を求める」という彼の信念はこの船に現れている。会社員勤めのため、週末の作業で2年ほどかかり完成は2018年。映画の魅力と重なるが、海賊船らしく夜間では海の闇と一体化する黒い船体、装飾とデザインに威圧感があり、芸術的で美しいのが魅力と感じた。甲板上にはフィギュアを並べた。
50-50
ソブリン・オブ・ザ・シーズ
野路 日出男(一般参加)
年代 |
1637年 |
船籍 | イギリス |
縮尺 | 1/78 |
キット | セルガル |
製作期間 |
3年6カ月 |
チャールズⅠ世の時代に史上最も豪華な船といわれ、時代を250年先取りしたと言われた船である。「海の帝王」と名づけられた。60年間活躍し、敵対国オランダ海軍からは「黄金の悪魔」と恐れられた。友人が20年前に購入し、製作途中で急逝してそのままになっていたキットを譲り受けた。幸い図面と金属金具が残っていたのでキール、フレームの切り出しからスタートして、資料を探しながら作成。船体の塗装は初めてで白井一信さんの参考書を教本にして挑戦、船体の雰囲気がとても良く、3年半没頭できた。
50-51
サルタナ
サンド パトリック(一般参加)
年代 |
1767年 |
船籍 | イギリス |
縮尺 | 1/64 |
キット | モデルシップウェイズ |
製作期間 |
2年5カ月 |
ボストンで建造されたガフ艤装のスクーナーで、民地沿岸のパトロール、課税徴収用途で英海軍に編入された。1768年アメリカに戻り、ボストン-チェサピーク湾間のパトロールで活躍した。帆船特有のプランク貼りのキットで、板張りや艤装の技術を学ぶことができた。また、ビナクル、ポンプ、ビットなどの金属部品は作り直し、クルミ、ツゲ、マツ等の木材加工や、船首に沿った湾曲に使用したポリマークレイの使い方等にチャレンジした。爪楊枝による甲板のトラネルや手すりの支柱、和紙を水に濡らして形作ったリアルな旗等、スキルアップもできた。
50-54
イストリアのブラゴッツォ
関口 正巳
年代 |
1882年 |
船籍 | アドリア海北部海域 |
縮尺 | ー |
キット | アマティ(キットを改造) |
製作期間 |
5カ月 |
イタリア・AMATI社のキットTrabaccoloを作り始め、船体を組み立てた段階で、この船体はTrabaccoloではなく,同じアドリア海の漁船Bragozzoであることに気が付いた。このキットは加えて縮尺の表記がない。気が付いた理由はキットの船が平底船仕様だったことだ。Bragozzoはラグーンで操業するため平底仕様である。キットのTrabaccoloを洋上模型として仕上げる手もあるが、悩んだ末、比較的に矛盾の少ないBragozzo仕様で製作を続けた。 伊東屋が帆船模型から撤退するときにまとめ買いしたキットの一つ。買い置きキット消化のため。
50-55
五大力船
田中 武敏
年代 | 17-19世紀 |
船籍 | 日本 |
縮尺 | 1/50 |
キット | 自作 |
製作期間 |
1年 |
江戸近辺の海運に用いられた海川両用の貨客廻船で、長さ約20m積載量15トン前後の中型帆船。船名の語源は「五大力菩薩」からという説がある。船の特徴は①喫水が浅く船体の幅が狭い構造で、海から直接河口に入り河岸に横付けできた。②海では帆走、河川では棹を使用するために舷側に棹走り台が設けられていた。東京湾で江戸時代から活躍した和船(五大力船)に関心を持って、各地の博物館を訪ねて資料収集し、図面起こしから始めた。不明な点は江戸木造和船細工師の中山幸雄氏に教授いただいた。材料は、ヒノキ材とケヤキ材。稼働する差し板などをご覧いただきたい。荷物(米俵、薪、藁、樽など)の製作には苦労した。
50-56
FUKUDA Masahiko

50-57
セントロッホ
山室 啓介
年代 | 1928年 |
船籍 | カナダ |
縮尺 | 1/72 |
キット | ビリングボート |
製作期間 |
1年 |
王立カナダ騎馬警察に所属する極地警備船(スクーナー)で1928年にバンクーバーで製造された。1940年に北西航路をハリファックスまで航行し、1944年にはバンクーバーまで逆に航行、史上初めて北西航路を往復した船となった。1950年にはパナマ運河経由で太平洋と大西洋の間を航海し、北米大陸を初めて周回した船となった。船体の構造材の大部分は北米産ダグラスファーだが、外板には強靭なオーストラリア産ユーカリを用いており、北西航路の航海において、押し寄せる海氷の圧力に幾度も耐え抜いて航海を達成したところに魅力を感じた。