THE ROPE 50TH ANNUAL SHIP MODEL EXHIBITION 2025

50-21
古代ローマの架橋船(木造船)
福田 正彦
年代 |
紀元1年 |
船籍 | 古代ローマ |
縮尺 | 1/75 |
キット | 自作(ジオラマ) |
製作期間 |
2年4カ月 |

古代ローマ軍の簡易橋の設置に使用された船の群れのイラストから作った。古代ローマ軍が河川渡渉に使用した臨時の橋を支えた小艇群で、櫓を備えている。人力だけなのに非常に高い技術をもった古代ローマ軍に興味を持ち制作した。38体の人形でその作業を活写したつもりである。
50-22
ヴァーサ
田中 嘉明
年代 |
1628年 |
船籍 | スウェーデン |
縮尺 | 1/75 |
キット | コーレル |
製作期間 |
2年 |
17世紀にスウェーデン海軍の主力艦として建造。設計ミスにより重心が高く、1628年進水直後に転覆して沈没した悲劇の船である。1961年に引き上げられ、98%の原型をとどめた船体や艤装は貴重な実物史料となっている。本模型はモデラー駆け出し時代の2013年、初めて大型帆走戦艦に挑戦した作品である。戦歴こそないヴァーサだが、複雑な曲線で構成された戦艦らしからぬ船体の美しさや艤装彫刻の美しさに魅了されて製作した。ヴァーサ博物館に展示の実物や復元模型と比較し、模型の稚拙さや彩色に違和感があるが、私にとっては記念すべき一作だ。
50-23
ヴァーサ
安藤 雅浩
年代 |
1628年 |
船籍 | スウェーデン |
縮尺 | 1/75 |
キット | コーレル |
製作期間 |
2年 |
スウェーデンがバルト海の制海権獲得を目差して建造した戦列艦。ストックホルム湾に進水15分後、突風で砲門から進水し沈没した。大砲の積み過ぎで重心が高くなったためで、設計者はオランダ人。333年後に引き揚げられ、保存処置に30年をかけて後に博物館として公開される。会の記念海外ツアー行事(アムステルダム帆船パレード)に参加して後、ヴァーサ博物館の実船を観てその迫力に圧倒され、コーレルのキットから製作を始めた。しかしキット図面は実船の形状と相違点が多く、別途ヴァーサの図面を入手して構造模型にして製作した。
50-26
フリースラント
西野 修博
年代 |
1663年 |
船籍 | オランダ |
縮尺 | 1/75 |
キット | マモリ |
製作期間 |
4年 |
マモリ社箱書きは、オランダで砲80門搭載の2等戦列艦として1663年に建造され、1672年の第3次英蘭戦争最初のソールベイ海戦では、英・仏王国連合国軍に対し戦略的勝利に貢献したとある。前作のチャールズヨットとヨット・マリーと比べ、作業手数や作業前の段取りが格段に多く、製作技術の拙さと知識不足を思い知らされた。同時代・同国の造船技術を反映できるよう参考文献から当時に思いをはせ、先輩の貴重な助言を賜ったことは財産となったが、体の不調で眺めるだけの期間が製作期間の過半以上を占めたことが残念である。