J. 映画・DVD


帆船活劇映画のすすめ

帆船模型作りの途中にワイングラスを傾けて一服するのも気分転換にをるが、ついでに血わき肉躍る帆船括劇映画をビデオで見るのもいいものである。帆船の出航から、ハリケーンに遭遇、砲撃戦、乱闘と続き最後はお決まりのヒロインを巡って主人公と仇との決闘になるワンパターンであるが、臨場感溢れる映画は見終わって気分爽快と共に模型作りも「さあやるぞ」と元気づけられること請け合いである。

1926年、ハリウッドは無声でこの程の映画を作って以来、トーキー後は次から次へと作り多くのスターを世に出した。ダグラス・フェア・バンクスJr、エロール・プリン、タイロン・パワー、バート・ランカスター等が狭いデッキを暴れまわる画面にしびれなのも懐かしい思い出である。

現在、ビデオおよびレーザーディスクで入手出来る映画の中で、9月中旬に発売された「戦艦バワンティ号の叛乱」と「カットスロートアイランド(首切り島)」は数有る帆船活劇映画を代表するもので、話の面白さ、見どころの多さなどから買って後悔することさらさらなしの映画である。前者は61年前の昭和10年制作の古い映画であるが、今でも鑑貧に耐える大作であり、後者は昨年作られた空前のアクション大作で、作品の内容は異なるが面白さの点では甲乙つけがたい。

 

戦艦パウンティ号の叛乱(MUTINY ON THE BOUNTY)
1935年MGMが制作した超大作で、第8回アカデミー作品賞を受賞、日本公開は第二次大戦前の昭和13年(1938年)でタイトルは「南海征服」であった。(バウンティの名はなじみがなかったため) 戦後、再公開時のタイトルは「戦艦バウシティ号の叛乱」であった。お話はパンの木を積むためタヒチに向い、帰路に非情を艦長の振る舞いに叛乱が起きるもので、イギリス海軍の史実に基づいている。
非借を艦長プライはイギリスから招いた名優チャールズ・ロートンが演じているが、共演のクラーク・ゲイプル、フランチョット・トーンを鳴っており、叛乱後に小舟に置さ去りにされ、ハリケーンのなかを苦闘しながらポーツマス港にたどり着き、叛乱者を軍法会議にかけるめ‘の追跡など執念深い役を名演技でみせる。叛乱首謀のクリスチャンは若きクラーク・ゲイプルが紛し、出腕前に船員狩りを行うなど艦長の右腕が、艦長の無謀に段々と簸乱に傾いていく過程を好演している。

クラーク・ゲイプルは4年後「風と共に去りぬ」のレット・バトラー役で大スターになるが-本作でも押しの強さなど、その片鱗を見せている。クリスチャンの恋人になるタヒチ女性役はドロシー・ラムーアが紛し、エキゾチックをマスクから後にビング・クロスピー、ボブ・ホープの珍道中物のヒロイン役に納まった。士官候補生役のブランチョット・トーンは生意気を味を出して好演であるが、後にハリウッドスキャンダルで映画界を去った。
フイルムはモノクロであるが、保存が良いのか画面も荒れておらず、ストーリーの運びも早く、飽きさせない。その他、ポーツマス港に居並ぶ帆船、出航時の錨上げ、帆の展開、操船および実物大帆船の動きなど見どころも多い。

なお、本作は2度再映画化された。1度目は1962年制作の「戦艦バウシティ」でカラー・シネマスコープ。プライ艦長をトレバー・ハワード、クリスチャン役をマーロン・ブランド、タヒチ女性役に現地の女性が紛した。トレバー・ハワードは特技の渋みを発揮し、マーロン・ブランドと共に熱演したが、テンポがのろく、前作の出来には及ばなかった。本作はビデオ化されていない。2度目は1984年制作のイギリス映画「バウシティ愛と反乱の兢海」(BOUNTY)で、プライ艦長を名優アンソニー・ホプキンス(エレフアントマンの医者役で有名)、反乱首謀クリスチャンをメル・ギブソンが演じだが、第一作の二番煎じの感じ。


カットスロートアイランド(CUTTHROATISLAND)
1995年カロルコプロが1億ドルを接して作った空前の帆船アクション大作で、日本公開は1996年2月の最新作。 5分毎に見せ場を配した、面白い映画であるが、日本では大ヒットしなかった。(今や日本で受ける映画はポリスが出てカーチェイスしなり、ハイジャック物や恐竜が出るものになった〉
お話は伝説の島(首切り島)に眠る財宝のありかを頭皮に墨入れで書いた古地図を頼りに海賊船の女船長が父の仇と戦いながら宝探しに向かい、仇も横取りしまうと追いかけて宝の奪い合いと砲撃戦、最後は女船長と仇がデッキ、マストトップ、ヤード上と船底で決闘を繰り広げるもので、男顔負けの決闘は見ているだけで手に力が入る。
特殊撮影と音響効果は最新作だけあって申し分がなく、港に並ぶ帆施、カノン砲の砲撃など見事をもの。特に凄まじいのはこの映画のために作った全長43mの大型帆船を爆破するシーンで、これでもか、これでもかとサービス満点の清劇映画である。女船長が主人公になるのもユニークを作品。
主演は1988年に「偶然の旅行者」でアカデミー助演女優賞をとったジーナ・ティビスが女海賊に扮し、冒険と戦いを繰り広げる。共演は「フルメタル・ジャケット」「メンフィス・ベル」で好演したマシュー・デモンだが、若さに溢れ、親爽としていて、女船長を助けての大活躍である。監督は「ダイ・ハード2」「クリフハンガー」のレニ一・八一リンで歯切れが良く、テンポも速い。

(安藤 雅浩)


エリザベス:ゴールデン・エイジ ELIZABETH: THE GOLDEN AGE

2月に劇場公開され2008年アカデミー賞は衣装デザイン賞を受賞した「エリザベスゴールデン・エイジ(エリザベスの黄金時代)」のDVD。お話はエリザ ベスが25才でイングランド女王に即位後、数々の陰謀を乗り越え55才でスペインとの国運を賭けた戦いを描いたもの。この映画のクライマックスはイングラ ンドの弱小艦隊とスペインの無敵艦隊アルマダとの海戦で、映画の中での戦闘シーンは長くないが迫力ある場面になっている。

今回のDVDは特典に艦隊の製作ドキュメントやメイキングが収録されている。帆船の航行・戦闘シーンはCGの合成によるが、帆船はミニチュアを一切使わず 喫水から上の実物帆船を作った。航行時の揺れは人力でゆすり、波は同じ長さの船を走らせた映像からCG合成。これで背景のドーバーも動いてリアルなシーン になる。実物帆船は片面をイングランドのガレオン船、他方をスペインのガレオン船、船内はイングランド船に作っている。映画も面白いが、楽屋裏もまた面白 い。

(安藤雅浩)