第32回帆船模型展-4

Photo Gallery of the 32nd Annual Exhibition 2007

 

建造中の船 たち


32-39 菱垣廻船

Higaki-Kaisen

年代:    17~18世紀

製作者: 田中武敏 Taketoshi Tanaka

製作期間:1年(未完)

 

菱垣回船は江戸時代、大坂と江戸を結んで物資輸送の大半を担った。船体側面に波よけと装飾を兼ねた菱垣型に組んだ板を立てたことからこの名が付いた。初めての和船製作、図面や各部の名称が洋式帆船と異なるので、慣れるために多くの関連図書を紐解く機会が出来た。製作途上だが今回は製作プロセスを見ていただきたいと思います、またこれを機会に和船に関心を持っていただければ幸いです。



32-40 ラ・ルノメ

La Renommée

年代:    1744年

製作者:   加藤史郎 Shiro Kato

製作期間:2年6ヶ月(未完)

 

詳細なことで有名なJ.ブードリオ氏の図面により製作中のフランス海軍フリゲート艦の構造模型。強いチューリップ型の船体断面に丸く短い船首という典型的なフランス艦の特徴を持つ。現在は上部の治具と、キールの位置に通した真鍮棒でフレームが変形しないようにしている。また船体内側の斜めに貼った内張材は、実船でも手間とコストがかかったようであるが、模型でも高度な技術が要求される。



32-41 アンフィオン

Amphion

年代:    1778年

製作者:   大池 誠 Makoto Oike

製作期間:2年(未完)

 

スウェーデンの王室ヨット。キットをベースに、チャップマンの図面を参考にして、船首像、船尾の彫刻、窓枠などを初めて自作した。最初は彫刻刀で試みたが全く歯が立たず形にならなかったので、リューターで削ったり航空ベニヤを切り抜いて貼り付けた。形も材質も不揃いで、近くで見られると恥ずかしいが、手作りの感じが出たので満足している。



32-42 天城(初代)

Amagi

年代:    1807年

製作者: 竹本喜道

製作期間:1年(未完)

 

明治11年国産第4番目の軍艦として竣工。日清、日露戦争に参戦、明治38年日本海海戦後に引退した。今に伝わる図面や資料が少なく、塗装色の設定なども含めて苦労した。1/125はミニチュアとも言えず、中途半端なサイズで細部は作りにくく、もう少し大きく作るべきであったと反省している。苦労の割には風格に欠け、夜店のオモチャのようになってしまったとは作者の言。



32-43 グレート・ブリテン

SS Great Britain

年代:    1843年

製作者:  宮島俊夫 Toshio Miyajima

(未完)

 

英国のエンジニア、ブルネルの設計になる初の鉄製のスクリュー船。昨年の出品の時、外板の一部をはがして内部を見せようと思ったが余りよく見えなかったので、今回はフレームを一本置きに切り取り、エンジンとボイラーに色を付けた。はずみ車のベルトが切れたときは取り出さなければならないので、甲板を取り外しできるようにするのがやっかいな仕事であった。



32-44 明治丸

Meiji-maru

年代:    1988年改修型

製作者:  赤道達也 Tatsuya Akamichi

製作期間:2年(未完)

 

明治9年に明治天皇の東北地方ご巡航の際、函館から横浜まで乗船された。海の記念日はこの日を記念して制定された。1897年に東京商船学校に交付され定繋練習船となった後、1964年越中島の大学構内に固定し1988年に改修が完了、記念船として保存され現在に至る。図面が少なく、保存されている実船を測定した部分もある。また甲板材の色をそろえるために、必要量の3倍の檜材を購入、選別して使用した。



一般参加(会員以外の方)の作品

32-45  サンタ・マリア

Santa Maria

年代:    1492年

製作者:  松原 滿 Mitsuru Matsubara

製作期間:5ヶ月

 

西に向かって航海すれば黄金の国ジパングに行き着くはずだ、そう確信したコロンブスは1492年8月、1年分の食料を積んだサンタマリア、ニーナ、ピンタの3隻でパロマ港を出帆した。33日間の絶望的な航海の後、陸地発見。しかしそこは黄金の国にしては、あまりにも貧しく見えた。大きな船に乗った白い生き物の到着が伝わると、一目見ようと次から次へとカヌーが集まってきた。そこはバハマ諸島であった。



32-46 サンチャゴ・デ・コンポステラ

Santiago de Compostela

年代:  1540年

製作者:   大島増次

製作期間: 5年

 

キリスト教12使徒の一人である聖ヤコブ(スペイン語名サンティアゴ)の墓が9世紀初頭、スペイン北西部サンチャゴ・デ・コンポステラで発見され、それ以来ローマ、エルサレムと並び、キリスト教三大巡礼地の一つとなっている。この地名を船名に持つスペインのガレオン船。伊東屋で購入したビンセント・W・シー社の図面を使用した。年を取ってからの精密模型なので、製作に意外と手間取り、正味5年もかかってしまった。



32-47 ゴールデン・ハインド

Golden Hind

年代:    1577年

製作者:   稲川健二

製作期間: 8ヶ月

 

フランシス・ドレークが世界一周の略奪航海に用いたガレオン船の船体模型。世界一周を成し遂げ財宝を満載して帰国したとき、女王エリザベス一世は、略奪を受けたスペインからの抗議を無視し、いわば海賊だったドレークにナイトの称号を与えたのである。その後1588年に英国がスペインの無敵艦隊(アルマダ)を撃破した時、彼は英国の副司令官となった。この船の実船の図面は存在しないため、好みで直したところがある。それもまた楽し!である。



32-48 ゴールデン・ハインド

Golden Hind

年代:    1577年

製作者:   霞 崇

製作期間:8ヶ月

 

キャプテン・ドレークが、1577年にスペイン領を略奪しながら世界一周をしたときに乗っていた小型のガレオン船。製作に手頃なキットと思って取り組んだが、船体製作に予定以上の時間を費やしてしまった。リギングについてはシュラウドの張り、ラットライン(段索)の結びなどに不満が残るが、一部パーツを自作するなどしてグレードアップし仕上げることが出来た。



32-49 ハーフ・ムーン

Half Moon

年代:  1606年

製作者:   菅野建史

製作期間:1年6ヶ月

 

英国人ヘンリーハドソンが、オランダ東インド会社の依頼により、アジア航路発見のための探検航海に使用した小型のガレオン船。ハドソンは4度目の北方航路の探検を行ったとき、1611年部下の反乱により不毛の土地で消息を絶った。第4回の伊東屋帆船教室に参加したがその際は完成に至らず、今回再度教室に参加のため完成させた。コーレル社の図面に忠実に従った。また外板の前後での板幅バランスに注意した。



32-50 ソブリン・オブ・ザ・シー

Sovereign of the Seas

年代:    1637年

製作者:   大橋則顕

製作期間:4年6ヶ月

 

「最強の戦列艦を造れ」というチャールズ一世の令により、当時の有名な造船技師フィニアス・ペットによって設計された第一級戦列艦で「海の帝王」という名を持つ。装飾は金箔が貼られて黄金色に輝き、大きさと砲100門の攻撃力は当時のあらゆる船を凌ぎ、敵国からは「黄金の悪魔」と恐れられた。作者は伊東屋帆船模型コーナーのご担当者。店内での製作実演?は皆様の目にもとまっているはず。いつになったら完成するのでしょうか。



32-51 ル・ミラージュ

Le Mirage

年代:    1675年

製作者:  高橋和夫

製作期間:2年


17世紀末フランス海軍の黄金時代に作られた戦列艦。船首と船尾の豪華な装飾にブルボン王朝の栄華がしのばれる。ミラージュとは陽炎のことである。そしてまた陽炎のごとくミラージュという艦が存在したという記録はない。キットの解説書とキット図面のみで製作したため、細部が雑になってしまったとは作者の言葉。



32-52 ユニコーン

HMS Unicorn

年代:    1748年

製作者:   金子利夫

製作期間:1年6ヶ月

 

F.H.チャップマンにより設計された英国海軍のフリゲート艦。全長125ft、武装は8ポント砲24門、4ポント砲10門。処女作のハズが途中で2年ほど中断し、その間に伊東屋帆船教室で[あこがれ]と[ゴールデンハインド]を製作したので、再開するまでに頭の切り替えが出来ず苦労した。



32-53 あこがれ

Akogare

年代:    1993年

製作者:   足立幹夫

製作期間: 1年

 

青少年の育成を目的に、大阪市が建造した3本マストトップスルスクーナー型練習帆船。362トンと小型ながら、安全性を重視した優れた設備が搭載されている。1994年から広く一般市民を乗せてセイル・トレーニングを行っている。日本各地はもとより、グアム・フィジー・ニュージーランド・オーストラリア・インドネシアへ航海、そして2000年の世界一周の航海を行った。鋼船であるため、全面的に塗装しなければならず、この仕上げに最も苦労した。



42-02 "Santa Maria" Kiyoshi TAKANARITA
42-02 "Santa Maria" Kiyoshi TAKANARITA