第30回帆船模型展-4

Photo Gallery of the 30th Annual Exhibition 2005

19世紀の帆船


30-36 ル・シーニュ

Le Cygne

1806 フランス
1/48 スクラッチビルト

中園 利孝 Toshitaka Nakazono


フランス海軍の標準的な16門グリック艦で、船名は白鳥の意。製作はブードリオの図面集に基づき、出来るだけ忠実に再現した。撚り目を強調するため、自分て撚ったロ―プを使用し、動索、静索ともウエザリングを施して風雨にさらされた雰囲気を出した。ラットラインの両端にアイを入れたが、通常の工法に比べて10倍の時間がかかった。全体的には直線と曲線のバランスを考えながらの製作となった。使用した糸の長さは1kmを超えている。



30-37 ラ・リョーヌ

La Lionne

1811 フランス
1/54 スクラッチビルト

松本 善文 Yoshifumi Matsumoto


参考にしたAAMM(バリ海洋博物館)の図面には「アストロラーブ」とあるが、これは誤りであることが分かった。これについては図面の原型となったバリ海洋博物館の模型に基づいたブードリオ氏の詳細な考証と、もう一つ「アストロラーブ」についての論文がある。ブードリオ氏の説にしたがって本船は「ラ・リヨーヌJとした。着工から5年で完成。ただし、この間船台上の冬眠が3年。船首尾の装飾、艤装、そして構造物の縁に多く付けられた白い縁取りの工作に難渋した。



30-38 ロレノク

L'Orenoque

1848 フランス
1/100 マモリ社

肥田 純 Jun Hida


フランス海軍の、蒸気エンジンと帆装を併せ持つ近代への移行期の艦。外輪帆装フリゲートとしての第一艦でもある。主として兵員輸送に使われ 後に武装商船として使用された。より商船らしく見えるようにキットを改造し、また見栄えを考えてロープ類は太めにした。「楽しめる室内装飾品」として飾ることを前提に製作したが、船台時計部分に懲りすぎ、時計が見えにくくなってしまったのは失敗!次作ではルームスタンドとして使えるような模型を考えている。



30-39 シェナンドー

Shenandoah

1864 アメリカ
1/50 スクラッチビルト

奥村 義也 Yoshiya Okumura


アメリカ南北戦争時代に建造された小型カッター。輸送船として使われたが時にはイギリスがら弾薬を仕入れ南軍に流すなど密輸も手掛けた。29回展はキットを製作して展示、今回はスクラッチビルトで製作した。船首から船尾まで続く甲板に合計88個の排水口を開けるのには大変苦労した。この模型は教室で教材として使用するため、初心者にもわかりやすいよう、主に白黒を主体色として仕上げた。



30-40 サーモピレー 

Thermopylae

1868 イギリス
1/100 今井科学

倉谷 恭平 Kyohei Kuratani


シナ茶をイギリスに運ぶことを目的として建造されたクリッバーの1隻で、進水はカティサークの1年前。イギリスヘの到着が早けれは早い程、積み荷のシナ茶を高く売りさばくことが出来たので、毎年、新茶輸送のクリッパーによるレースが行われた。1872年に力ティサークとの間で史上名高いレースが行われ サーモピレーが勝利した。10年位前に購入したキットだが、眠りをさましてやっと進水させることが出来た。



30-41 ファントム

Phantom

1868 アメリカ
1/64 スクラッチビルト

渋谷 篤 Atsushi Shibuya


マサチュセッツ州東ボストンで入港船の水先案内船として建造された。切り立った船首水切り、シャープな船首水面下の形状、それに続く通常より船尾に寄った"腹"という独特の船体はスマートである。モデルシップウェイ社の非常に親切なキットの図面を使用し、縮尺を替えて制作した。船尾外板の曲線が複雑で三度作り直した。



30-42 カティサーク

Cutty Sark

1869 イギリス
1/100 ウッディジョー社

安藤 雅浩 Masahiro Ando


明治2年、シナ茶をイギリスに運ぶ事を目的に造られた963トン、全長84mの木鉄交造クリッパーで、帆船最後の黄金時代を飾った海の駿馬であった。キットを基に、グリニッジに保存されている実船内で販売している図画を参考にして製作。キットのパーツは外国製キットに比べ豊富で、細部も良くできているがそれでも物足りない部分は自作した。フィギアヘッドの出来はぴか―。NHK文化センター帆船教室の教材として使用した。



30-43 カティサーク

Cutty Sark

1869 イギリス
1/100 スクラッチビルト

前川 政司 Masashi Maekawa


カティサークの解説本と図面からスクラッチで制作したもの。実船はキール、フレーム、3 本のロワーマスト、バウスプリットおよびブルワークが鉄製のため、模型でもその部分は金属(真鍮)を使って特徴を表わしている。この時代になると、実船では金属が多用されるようになっており模型においても金属加工に時間がかかった。初めてのスクラッチビルト、かつ金属加工等で試行錯誤を繰り返し、制作期間は3 年を要してしまった。



30-44 明治丸

Meijimaru

1874 日本

1/96 スクラッチビルト

赤道 達也 Tatsuya Akamichi


1874年(明治7年)に英国に発注されグラスゴーで建造された灯台補給船。明治9年に明治天皇が東北地方ご巡航の際、函館から横浜まで乗船された。海の記念日はこの日を記念して制定された。1897年、東京商船学校(現海洋大学)に交付され定繋練習船となった。1964年越中島の大学構内に固定し、記念船として復元保存され現在に至っている。キットは不明な部分が多く、実物の写真を数多く撮って参考にした。



30-45 カタロニアボート

Barque Catalane

1893 フランス

1/25 スクラッチビルト

関口 正巳 Masami Sekiguchi


スベイン北東部にある地中海沿岸の漁村でいわし漁に使われたボート。AAMMの図面を縮尺1/25にして制作したが、作図量の多さと作図からの材料への転写、材料の切り出し、そして組立てには多くの忍耐が必要であった。この手の槙型では、結局0.1ミリ単位で微妙に厚さの異なる材料を製材しなければならないと云うことが分かった。