第40回帆船模型展(2/8)

Photo Gallery of the 40th Exhibition 2015

働く船


 漁船の魅力

 

働く船には、無骨な男たちの汗の臭いがする。速度を求めるための美しく大きな帆、獲物を取るための強力な仕掛けとパワーが製作の大きな魅力である。これらの漁船は今も健在であるが、後年になってスポーツやレジャーシップにも変身して活躍している。

色々な帆船がある中で、漁船は恰好は悪いがペンキの色が豊かで個性的な船が多いということであろうか。漁師の心意気が伝わってくるし、その模型は荒っぽく作る(腕が悪くて下手なので)とそれなりに味が出る。

漁船は取る魚(ニシン、クジラ、エビ、カニ等)によって装備が異なるのが面白いと思っている。この設備はどう使うのかなど興味が尽きない。

 

 



40-07

バスクの捕鯨ボート

 

Lancia baleniera


年代:
15世紀
船籍:
スペイン
縮尺:
キット: パナルト
製作者: 東 康生
製作期間:
10ヶ月

 

Period: 15th Century
Nationality: Bpain
Scale: ---
Kit: Panart
Built by: Yasuo Azuma
Work devoted: 10 months

 


バスクの男たちの勇気の象徴として伝えられる捕鯨は世界最初の商業捕鯨として15世紀ビスケー湾で始まっている。極度の乱獲から僅か100年で資源を枯渇させ。以後、外洋に広がってゆく。1901年5月14日最後の一頭が捕獲された喜びがいまに歌い繋がれている。歴史に名を残した船、市井に埋れた使役船にもそれぞれの物語が秘められている。工作の手を休め、歴史の世界に遊ぶのも、船作りの楽しみである。

 

 

 

 

 


40-08

ウィリー・ベネット 

 

Willie L Bennett


年代:
1899
船籍:
アメリカ
縮尺: 1/32
キット: 自作
製作者: 田中 武敏
製作期間:
1年

 

Period: 1899
Nationality: America
Scale: 1/32
Kit: Scratch Built
Built by: Taketoshi Tanaka
Work devoted: 12 months 

 


アメリカ、ワシントンの東、チェサピーク湾で底引き漁具を使用して牡蠣採りをする漁船。専用の漁具を海底に下ろして底引きし、巻上機で引き揚げて採取する。ユニークで美しいフォルムの漁船に興味を持ち、モデルシップウェイの図面を基に自作した。主としてペアウッド(梨材)を使用。甲板上にある多種の金属部品のハンダ付けに苦労した。また、ステイ、巻き上げ機のロープは銀と黒塗装で実船のように仕上げた。




40-09

コート・デムロード

 

Côte d'Émeraude


年代:
1925
船籍:
フランス
縮尺: 1/75
キット: アルテサニア・ラテーナ
製作者: 川島 壮介
製作期間:
1年

 

Period: 1925
Nationality: France
Scale: 1/75
Kit: Artesania Latina
Built by: Sosuke Kawashima
Work devoted: 12 months

 


1925年フランスのサン・マロで建造され、テル・ヌーブ(新大陸)と称されたカナダの漁船で、ニューファウドランド島沖の春から秋にかけてのタラ漁に活躍した3本マストの木造スクーナー。会のオークションで譲り受け、キットに少し手を入れようとAAMM図を購入し、始めたがキットとの相違点が気になり結局船体を作り直すハメになり、帆装まで手が届かず今回は船体まで、次回に完成予定。

 




40-10 

ジェノバの貨物船

 

Pinco Genovese


年代:
18世紀
船籍:
イタリア
縮尺: 1/36
キット: ユーロモデル
製作者: 木村 護
製作期間:
1年1ヶ月

 

Period: 18th Century
Nationality: Italy
Scale: 1/36
Kit: Euro Model
Built by: Mamoru Kimura
Work devoted: 13 months

 


18~19世紀初めに、リグリア海軍で使用された3本マスト、300tの貨物船である。通常は三角帆で帆走するが、悪天候時には四角の帆に変更していた。機動性に優れ、高速での帆走から、地中海の沿岸航路で活躍していた。  快速を誇るスタイルに帆船の魅力を感じて作成した。このキットは精密な図面と高品質な材料で定評があるが、船尾の飾りに時間をとられた。貨物が見られるように一部ハッチを開放した。 

 

 


姉妹クラブSMAからの出展

SMA(Ship Modelers Association)

 

米国ロスアンジェルスに拠点を置く全米有数の船舶模型同好会。1975年創立。ザ・ロープは唯一の姉妹クラブ。両会では、会報の交換や相互訪問交流を行い、また展示会への特別出品を行っている。当会の名誉会員は4名。今回の40回展にも同メンバーが来日して特別出品をした。

 

 


40-11 

ロイヤル・ウィリアム

 

HMS Royal William 


年代:
1719
船籍:
イギリス
縮尺: 1/192
キット: 自作
製作者: ガス アガスティン
製作期間:
2年6ヶ月

 

Period: 1719
Nationality: England
Scale: 1/192
Kit: Scratch Built
Built by: Gus Agustin
Work devoted: 2 year  and 6 months

 


英国海軍、第一級戦列艦、104門、三層甲板1719年建造、建造者は戦艦の寿命を考慮し、腐食/ダメージを減らす為に、舷側材をフレームに取り付ける前に、舷側板を火で燃やし、炭化した後、取り付けた。この方法により、1760年のケベック戦争の旗艦とし長く活躍した。素晴らしい彫刻類は英国艦隊の海軍力を見せ付け、船の大きさ豪華さは海に浮かぶバロック様式のお城のイメージを彷彿させる。

製作時間2,000時間を越える。


 


40-12

ルーベック号のフィギャーヘッド

 

HMS Roebuck figurehead


年代:
1774
船籍:
イギリス
縮尺:
キット: 自作
製作者: ドナルド ドレッセル
製作期間:

 

Period: 1774
Nationality:

England

Scale:
Kit: Scratch Built
Built by: Donald Dressel
Work devoted:

 


英国海軍のフリゲート艦ルーベック号に搭載されていた船首像(フィギャーヘッド)。ハロルド・ハーンの図面によるが、髪型の詳細等が不明である為に他の資料を基に一部改造した。材料はボックスウッド(米国産柘植材)より彫り出したが、手に持っている槍は楊子を利用した。

 

 



 


40-13

ハリファクス 

 

Halifax


年代:
1765
船籍:
アメリカ
縮尺:
キット: 自作
製作者: ドナルド ドレッセル
製作期間:

 

Period: 1765
Nationality:

America

Scale:
Kit: Scratch Built
Built by: Donald Dressel
Work devoted:

 


この船は英国で建造されたが、後に米国海軍に購入された。米国独立以前はボストンーハリファックス間の郵便船として使用されたが、米国海軍創立初期に活躍した。この模型はプランク・オン・フレーム方式で、ロアー・デッキ、調理用ギャラリー等を持ち、彫刻類はハーンの資料に基づき作製した。



 

 

 


40-14

サコレヴァ

 

Sacoleva


年代:
1835
船籍:
アメリカ
縮尺:
キット: 自作
製作者: ミシェル マンタン
製作期間:
6年

 

Period: 1835
Nationality:

America

Scale:
Kit: Scratch Built
Built by: Michel Mantin
Work devoted:

 


19世紀末まで地中海東側/中央沿岸部で広く使用された帆船ボート。 チュニジア沿岸で蛸、なまこ等の漁に使われた。大きさは40~50t。流線型の船体と船首のシアーラインやその傾きが特徴。メインマスト1本でスプリットセールを装備し、地中海の海流/風力に適していた。しかし、大型になると2本のマストを持ち、スクーナーまたはブリック型艤装を持っていた。模型の主仕様は全長12.6m、全幅3.5m、高さ1.32m、重量42t。

 

 

 



 42-27 オランダ海軍省の造艦会議 1:33 坪井悦朗 TSUBOI Etsuro
42-27 オランダ海軍省の造艦会議 1:33 坪井悦朗 TSUBOI Etsuro