第27回帆船模型展-4/5

Photo Gallery of the 27th Annual Exhibition 2002

20世紀の帆船


27-38 大鵬丸

Taiho-Maru

 

1906年(明治39年)日本

1/70 イマイ社

永田研三 Kenzo NAGATA

 

明治39年、日本で最初に建造されたタラ釣り漁船で、石川島造船所(現IHI)で建造された。2 スクーナー型。フレーム等の骨組みはほとんど修正する必要のないくらい良くできたキットであるが、残念ながら外板、甲板の材料が檜であり、ニス仕上げの場合は檜では物足りないので、クルミを買い求めた。また、キットは滑車もプラスチック製のため、木製に取り替えた。外板は一重貼りだが二重貼りに変更した。

 



27-39 マリー・ジャンヌ

Marie Jeanne

 

1908年 フランス

1/50 ビリングボード社

伊藤一吉 Kazuyoshi ITO

 

フランス北西部、ビスケー湾に面した漁港コンカルノーのマグロトロール漁船。マグロ漁には頑強に波に立ち向かい、十分に足の速い船が必要とされた。50~60フランストン、12人乗り。本船は2回目の製作。何か私なりの船に、と思い、船体をクリンカー貼り(鎧貼り)とした。私はテニスも趣味としているが、今ではテニス仲間に船の自慢話だけしてきたものが、今回やっと観てもらうことができた。



27-40 マリー・ジャンヌ

Marie Jeanne

 

1908年 フランス

1/50 ビリングボード社

瓜生法男 Norio URIU

 

長い間、エンジンj/スクリュー音は魚を遠ざけるとして、漁船には帆船が用いられてきたが、1935年頃以降は蒸気船にその座を明け渡すこととなった。キットをベースにフランス海洋博物館発行の図面で製作したため、部品の多く、特に金属部品はほとんど自作となった。塗装は油性ラッカーの上にエナメルでハイライトをつけ、全体を引き締めた。釣り竿の先端はホームセンターの竹箒売り場に落ちている竹を拾ってきた。



27-41 日本丸

Nippon-Maru

 

1930年 日本

1/900 イマイ社

大野弘 Hiroshi ONO

 

文部省航海訓練所練習船として活躍後、1984年に引退し、現在横浜にて保存、公開されている。この模型はボトルシップのキットパーツを基本にエッチングパーツ等で細部をディティールアップしてみた。また、ロープなどには絹糸、テグスの他に、毛髪の提供を受けて使用してみた。「日本丸船歌:蒼空高く晴れ渡り、海紺碧に澄み透る。今、純白に輝きて駆ける勇姿ぞ日本丸。ホウ若人よ、行け行け行け」(作詞:長田恒雄 作曲:小宮山繁)



27-42 ベンザジェール

Bensersiel

 

1952年 ノルウェー

1/20 アルテサニアラティーナ社

小林正博 Masahiro KOBAYASHI

 

19世紀末頃からフリースランドではある種のエビと貝の採取が始まった。ドイツで造られ60馬力のエンジンを持つ本船は、当該漁業に活躍したが、1979年頃この漁業が禁止になり、現在は改造されて観光船として活躍中である。キットはラジコン搭載用のため、フレームから作り直してある。各パーツも全部作り直してあり、まあ、スクラッチビルトと言っても間違いないと思っている。

 



27-43 マリー・アン

Mary Ann

 

1957年 デンマーク

1/30 ビリングボート社

倉谷恭平 Kyohei KURATANI

 

北海方面でのニシン、タラ漁に従事したトロール漁船。ディーゼルエンジン2基を備え、速力12ノット、50㌧、3~4人の乗組員で操業した。この漁船の設備、用具は面白く、楽しみながら作った。船体そのものも見ての通り丸っこくて可愛いものです。



27-44 ウジュン・パンダン

Ujung Pandang

 

インドネシア

1/50 スクラッチビルト

肥田純 Jun HIDA

 

インドネシアの伝統的なもう造反船ピニシ。このピニシが青森に「みちのくインドネシア号」として停泊展示されている。細部の図面がないため青森まで足を運び、その時の写真とパンフレット等を参考に製作した。入手した外形図面が2種類あり、双方異なった外観になった。このため船名は同地の海洋民族プギス・マカッサル族に因んでマカッサルの現地名”HJUNG PANDANG"を採用した。



27-45

John Bull Taking a Luncheon

 

レリーフ

スクラッチビルト

宮島俊夫 Toshio MIYAJIMA

 

18世紀イギリスの風刺画家ジェイムズ・ギルレイは徹底的にナポレオンを攻撃する風刺画を描いた。船の入った絵は少ない中でこの絵を選んだが、当時の政情がよくわからないので意味するところが不明だが、海軍省と現場の艦長達との確執は毎度のことだったのだろう。海洋小説でおなじみのネルソン、ハウ、ヴィンセントなどの顔が並んでいる。船が料理になっているのが面白く選んだ作品。帆柱もシュラウドも小さいので接着剤で固めながら彫った。彩色はアクリルカラー。



27-46

ノーマン・ロックウェル作

”蒸気船レースとそのスポンサー”

 

レリーフ

スクラッチビルト

宮島俊夫 Toshio MIYAJIMA

 

ユーマラスな風刺画で知られるノーマン・ロックウェルのこの絵は、レースの賭けに敗れてうなだれるスポンサーと最後まで諦めない船員たちの対比が面白い。人物は横向きなので比較的彫りやすいが、舵輪は奥が深いので少々手こずった。原画は油絵だが彩色はオイルステインで塗り分けた。




 42-27 オランダ海軍省の造艦会議 1:33 坪井悦朗 TSUBOI Etsuro
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