ドゥアルヌネ Douarnenez

 

 


6月13日(この日が格安チケットの価格アップぎりぎりの日)成田からパリに夕刻到着。昼の一番長い季節と夏時間のせいもあるが夜の10時になつても未だまだ明るい。38年振りでエンフエル塔に登ってみた。夜のといっても未だ陽の上がっているパリの街を望見。眼下に国立海洋博物館が入っているシャイヨー京が見える。

翌日の午後便で老人割引25%のTGVでカンペールに到着。夜中から生憎と雨になり、翌朝雨足の残るなかをドナアルヌネにオートカー(バス)で出かける。数人いた乗客は途中で降りてしまい、終点まで乗っていたのは中年と思しき無口のおじさんと私の二人だけ。 ドゥアルヌネの街に近づいた頃から青空が見え始める。インフォメーションセンター(Accuct'アクイユ)前には10時前に到着してしまったので案内所は未だオープンしていない。冒険心を趣こして終点まで乗って行ってしまった。途中高い位置にある橋を渡った時、眼下に入り江だか川だかがあり沢山のいろんな種類の船が見えたので直感的にこの近辺だなと理解した。

バスの終点で運ちゃんにミューゼ'ドュ・パトーヘの道を尋ねるとさっき停車したところだ。歩いて戻れという。さっき渡った橋のたもとまで戻るとミュゼー・ドュ・バトーの矢印がありその先に狭い急な階段がある。近道かなと思いつつ草を掻き分け階段を降りてゆくと朝の犬の散歩と立ち話を楽しんでいた何組かの男女に笑顔で迎えられ、揮物館へはこの岸辺をずっと歩き、向こうの橋を渡って対岸に渡り、桟橋を戻ると博物館のサインが出ているからすぐ判るわよ!と言つたらしいことがフランス語と英語のごちや混ぜ会話で理解できた。メルスィ・ボクー。このコースはアプローチとしては正解であった。海に面して3方を小高い丘にはさまれた南北に走る入江にPORT MUSEE(オープンエアー港湾博物館)が展開し、東岸に想ヨーロッパ各地から集めた睦に上がった小型船が、室内にMUSEE du BATAUeとして展示されている。

教えられたとおり緑に包まれた西岸を海に向かって歩いて行く。水面にはさっき橋の上から見たいろんな船が今度は目線の高さで係留されているのを見る。やがて山側のところどころ小屋掛けがある。中には小型漁船があり、ハルの半分の外販が剥いである。キール、フレーム、ウェールのとりつけ状況が構造模製の実物でさりげなく見せられていることに気づく。ここはもう博物館の敷地内なのだと認識する。それにしても仰々しい境界を示す門や柵などもなく、人家の途絶えたところが境界だったようだ。対岸に渡る人専用の橋は眺ね橋になっていてマストの高いヨントやその他の船舶が往来している。東岸は道路が走っており、入り江の水上に桟橋が平行して続いている。桟橋を行くとやがて桟橋の上に山型のキャンバス張りの屋根を持った展示ブースがいくつか設けられている。これらのプースはポール・ミュゼーの説明をしている。

ポール・ミュゼーは後で見ることにして室内展示のミューゼ・デュ・バトーを見ることにする。入り口右手前に博物館の修理工場があり、機械らしいものはバンドソー1台だけ。ハンドプレーナーでラダーらしき板を削っていた。前庭では本材の天日乾燥やこれから修理するらしい船が置いてあつた。入り口を入リミューゼ・ドュ・パトーとポール・ミュゼーの両方が見られる切符を購入。入り口ホールの吹き抜けにはあのリーボードをつけた特色あるオランダのボートが展示されている。ありゃありゃフランスの船だけではないのだ。入口にビデオ上映の暗室があつたがフランス語で判らないので後回しにする。

 

スゥエーデンの細部の大変美しい芸術的ともいえるボートが吹き抜け空間に展示されている。隣にやつとフランスの特徴ある無骨な小型ボートが現れる。斜路を上る途中に漁労の篭やブイ、石の錨、骨だらけのボートなどが人形を配して波打ち際のジオラマ風に展示されている。さらに斜路を折り返して上り詰めると吹き抜けの大空関につながり、そこに何隻かの船が帆を広げ、美しく見せるためにある船は大きく傾斜させて展示し、電力を利用して風を孕んで優美な弧を描いた帆の姿を演出している。

 

この空間の正面に第28回のザ・ロープ展に出品したアヴェイロのモリヤイロの実物が展示されている(リスボンの海洋輝物館にも無いのに)。私好みの小型船が帆をつけて展示されている。一画に小屋が作られており、中でボートを作っているジオラマがあり、もう一方には船を作る場合、寸法をとるための枠組みをつくり、枠の中の船と枠との関係から寸法を割り出す実際の作り方を実物で展示している。今年はカヌーの特別展を催しており、こちらは暗い空間に模型を沢山展示し、カヌー発達の歴史、スポーツとしてのカヌーについて説明している。

 

後回しにした入り口のビデオをうっかり視ずにミューゼ・ドュ・バトーを跡にしてポール・ミュゼーに行ってしまった。桟橋のゲートのところで切符の半券を取られ実際に浮かんでいる船を視て歩く。2本マストの帆船、タグボート、 トロール船など船底のエンジンルームまで見させられる。それにしても夫婦連れで仔細に船底にまで潜っている好き者はどこにもいるもんですね!景勝の地にこのようなオープンエアー港湾博物館を運営するという索購らしいアイデアに脱幅!

ミューゼ・ドュ・バトーの前の坂道を上つてゆくとアタイユ(案内所)のところに出る。アクイユはWelcomeの意味だがフランスではインフォメーションをこう呼ぶらしい。もうオープンしている時間なので本や図面などの資料について訊ねると、広場の横に本屋があるからそこを覗けという。ンャスマレー出版の「伝統的フランスのボートJ、「船舶模型のアプローチ」という2冊の重たい本と絵紫書などを購入し、カンペールに戻る。夜の10時まで明るいのでカンペールの街を彷徨う。

(関口正巳)

ザ・ロープ行事予定