シアトル Seattle


Saltysからみたシアトルスカイライン
Saltysからみたシアトルスカイライン

シアトルには所用でこのところ年に数回ほど訪問している。今回の出張では時間の余裕があったので、市内にある木製ボートセンター他を訪問した。シアトルの私なりの雑学も含めてご紹介したい。

シアトルの一般的な情報については、Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/シアトル)を ご参照願いたいが、北米西海岸では日本から大圏航路で一番距離が短い。成田空港からは、ユナイテッド航空、デルタ航空、そして全日空が直行便を飛ばしてい る。往路で8時間半、復路では10時間位の飛行となる。全日空はボーイングの新型機787で運行を開始したが、バッテリーのトラブルで787型機の運用が停止となった。大型の主力機である777型機を代替機として運行していたが、777型機ではさすが採算が取れず、現在ではシアトル便の運行を停止しているが、この6月からは787型機を使って定期便の運行を再開するとアナウンスされた。アメリカの航空会社と比較すると、やはり日本の航空会社の方が地上、並びに機内サービスは優れており、成田とシアトルを行き来する私にとっては、全日空の運行再開は朗報である。

 

シアトルと言えば、大リーグのシアトルマリナーズのイチローで有名だが、アメリカでは常に生活しやすい都市のトップランキングに入っている。ボーイ ングの飛行機製造工場、マイクロソフト、アマゾンなどのIT系企業の発祥の地であり、スターバックスコーヒーの一号店も市内にある。任天堂のアメリカ活動拠点もシアトルにある。シリコンバレーと並び、かなりハイテクな雰囲気を持った都市でもある。



The Center for Wooden Boats (CWB)

ワシントン州のシアトル近辺の地図を見ると、街全体が入り江とワシントン湖の周りに発展していることが分かる。実際に機上から見ると、入り江や島々が大変 美しい。フェリーの往来や大型コンテナ船などの外洋運航船に加えて、中後型のヨットやモーターボートで余暇を楽しむ姿も多く目にする。ワシントン湖には、 素敵なヨットクラブもあり、レジャーやリクリエーション活動の質の高さを感じることができる。このワシントン湖の端にあるサウスレークユニオンという場所 に今回訪問した The Center for Wooden Boats

(木製ボートセンター、以下CWBの略)がある。

 

資料によると、CWBの創設は1957年に遡る。カヤックを楽しんでいたある篤志家がボートの修繕などをやっているときに、ふと彼が参考としている文献や 図面の日付は1890年代に遡ることに気がつき、このままでは、19世紀のボート製作技法が忘れ去られると危惧し、古いボートを買い集めたのが現在の CWBに発展してきている。

 

CWBの運営はすべて寄付、ボランティアにより行われており、どこかの博物館のような入館料などもない。ボートやヨットに興味がある人にはドアはい つも開 いている。訪問前にインターネットである程度は調べてみたが、実際に訪問して備え付けのパンフレットで年間の活動を見ると、予想以上に広範なものとなって いる。例えば、小型ヨットを使ったセーリングのレッスン、これもガフ、スプリット、レーシングスループ、ラグリグなどセールの種類別のレッスンがあり、い ずれも、日を分けて4コマから5コマの

小型ヨットを使ったセーリングのレッスン
小型ヨットを使ったセーリングのレッスン

プログラムになっている。技術レベル別にマンツーマンのセーリングレッスンも行われている。

 

一般的な木工技法、ボート製作技法、セールメーキング、パドルの削りだしなどの実技の講座がある。面白いところでは、航法、タ グボート、泊用ディーゼルエンジンの理論といった講義も行われている。ファミリー、子供向けのプログラムも沢山あり、ボートやヨットの模型を製作し、 CWBの横にある専用の池で楽しむこともできるようになっている。

 

また、CWBそのものが桟橋の上にあり、ヨットのレンタ ル、また中古販売もされていた。CWBでは書籍、図面、参考文献も豊富に備え付けられており、一部は販売もされている。歴史に関するものだけかと思ったら さにあらず、ボートの製作技法、ロープの結び方、セールメーキング技法などの書籍もあり、訪問記念に一人でできるセールの作り方とでも訳ができるイラスト が豊富な本を買い求めた。


(左上)ワークショップの入口看板(右上)クリンカー貼りの船体を塗装中のボート(左下)整理整頓された工具類はどこかの工房と大違い(右下)CWSそのものが桟橋の上にある
(左上)ワークショップの入口看板(右上)クリンカー貼りの船体を塗装中のボート(左下)整理整頓された工具類はどこかの工房と大違い(右下)CWSそのものが桟橋の上にある

今回の訪問はウィークデーの昼前で、丁度小学生向けの小型木工船のプログラムが終了したところで訪問者も多くなかったが、ボートショップの中に入り、写真 撮影ができた。ここでは、小型ボートを実際に製作しており、丁度クリンカー貼りの船体を塗装していた。3人程ボランティアで小型ボートを作成しており、いずれもが無給のボランティアであった。工具類などはまさに木工大工用で、整理整頓されその充実ぶりは私の工房とは段違いだが、床は木材の切り端や木屑などが散乱もしており、このあたりは私の工房と大差はないなとも思ったりした。写真撮影を通じてボランティアと話をしたが、写真にあるボートの値段は100万 円、買わないかとも話かけられた。

 

また、はっとしたところでは、明らかにインディアンの血を引いているボランティアにも出会ったことだ。アメリカの西部開拓は、ルートの確保、有名なところ ではオレゴントレールなどの開拓と、インディアンとの戦いや共存共栄にあったと言っても良いと思う。シアトル近郊には、インディアンの保護区も存在してお り、ライセンスを与えてカジノの運営もさせている。実際に訪問すると、ミニラスベガスで、飲食含めてその充実ぶりはすごい。

産業歴史博物館もCWBに隣接しており、訪問する時間はなかったが桟橋にはタグボートの実物が洋上展示されており、桟橋全体が市民の憩いの場となったい た。シアトルの秋冬春は日照もすくなくどんよりと曇り、雨も多いが、今回訪問したときは快晴で、こんなに天気が良いと、会社員は急遽半休を取得してアウトドアレジャーを楽しむこともあるようで、日本のサラリーマンやウーマンでは考えられないような話も聞く。公園で寝そべったり、ランチを楽しんだり、ジョギンクをしたりで、これが人生だよと見せつけられている感じもした。

 

 

 (栗田正樹 記)