第28回帆船模型展-5

Photo Gallery of the 28th Annual Exhibition 2003

20世紀の帆船


28-53

バダミャー

Badamya

20世紀 ミャンマー

1/30 スクラッチビルト

竹本喜道


イラワジ川のコメの運搬船として使われたという以外、何もわからない。構造からは乗客も運んだ貨客船のようである。今もイラワジ川に浮かんでいるのであろうか。児童向け図鑑の画から作図設計した。本船に関する資料がなく、ミャンマー連邦大使館にも問い合わせたが何もわからなかった。船名バダミャーは特産のルビーのこと。優雅な船形に惹かれて製作し始めたが、船体、帆装ともこの優雅な雰囲気作りに苦心した。



28-54

モリセイロ

Moliceiro Ria de Aveiro

20世紀 ポルトガル

1/25 Artenabak社

関口正巳 Masami SEKIGUCHI


ポルトガルの風光明媚な水郷地帯Aveiro・・・この湿地帯の水草は良質な肥料となるので、昔からモリセイロという美しい船で水草の刈り取りが行われてきた。このキットはリスボンの海事博物館で購入したもので、箱が合板でできており、底板にはレザーカットで肋骨のパーツが切り込まれているという一風変わったもの。精度が高く新設なキットだが、スケッチのみあって図面にない箇所もあり、実物を知らないものにとっては歯がゆい思いもさせられた。



28-55

マリージャンヌ

Marie Jeanne

1908 フランス

1/50 ビリングボート社

星野元典 Motonori HOSHINO


フランスの漁港コンカルノーのマグロトロール船。両舷前方に立つ2本の竿は長さが20㍍もあり、トローリング中は水平に降ろされた。釣り糸の先に真鍮ワイヤーがついて、その先に釣り針と疑似餌が付けられる。甲板は「通し」で貼らず、細かく切ってつなぎ合わせ、本物の船を作っているような楽しさを味わった。唯一の見所は甲板だけ?



28-56

ブルーノーズ

Bluenose

1921 カナダ

1/64 モデルシップウェイ社

栗田善一郎 Zenichiro KURITA


カナダのノバスコシアで建造されたタラ漁船。例外的なスピードを持つ彼女は多年にわたり、アメリカ東海岸の数多くのレースに勝利した。彼女は1946年に座礁して失われたが人々の記憶の中に生き続け、1964年に二世としてよみがえった。モデルシップウェイ社の確かな図面と親切丁寧な解説書に励まされ、1年半の製作を楽しんだ。船尾は図面から型紙を起こして忠実に再現した。また、ターンバックルやシャックルなど小さな金属部品も省略せず製作した。

 

 



28-57

ノルデン

Norden

1930 デンマーク

1/30 ビリングボート社

平生数馬 Kazuma HIRAO


デンマークの西海岸で現在も曳き網漁業などに使われている漁船。キット内の写真では外板はカラベル貼り(平貼り)とクリンカー貼り(鎧貼り)のものが存在する。キットは前者であるが面白くないので鎧貼りにした。外板の枚数を実物の写真に合わせて13枚とし、一枚一枚寸法を測りながら貼った。小型であり楽だと思い製作したが、kろえがけっこう大変であった。その他塗装についてもなかなか思うようにいかずてこずった。



28-58

グラダン

Gladan

1946 スウェーデン

1/50 ビリングボート社

小林正博 Masahiro KOBAYASHI


スウェーデン海軍の練習船としてストックホルム海軍工廠で建造され、その後英国海軍に譲渡され、改装されて練習船として活躍中。グラダンとは鳶(とんび)のこと。実船は鋼鉄船であるが、木地仕上げで見せたくて、ヒノキ材で外板を貼り、ウレタン塗装で仕上げた。キットのパーツは塗装することを前提とした木とプラスチックであるが、そのほとんどを銅板や真鍮板で作り直した。また、現代船なのでシャックルなども忠実に再現した。



28-59

リラ・ダン

Lilla Dan

1950 デンマーク

1/50 ビリングボート社

古屋白夫


J.ローリッツェン社の練習船として建造され、現在は半日から一週間程度の会議やパーティー等に貸し出され、スカンジナビア海域を航行している。キットはレーザーカットでフレームなどは実にきれいにカットされているが、甲板剤だけは前後の反り上がりが考慮されておらず修正を余儀なくされた。また、舵の蝶つがい部分も図面と実物に3㍉くらいの違いがあり、そのままでは舵板がプロペラに当たってしまう。ビリングボート社でこのキットを製作したことのある人はいないようである。



28-60

ベンザジェール

Bensersiel

1952 ノルウェー

1/20 アルテサニアラティーナ社

宮島 豊 


昨年の展示会出品作品に刺激されて製作した。ノルウェーの港町ベルゲンにはこのような漁船がまだ多数あり、観光船としても使われている。キットはラジコン搭載用のため、1/20とやや大型サイズであった。原型は船首の水切り材が斜めであったが、これを垂直に立て操舵室も形を変えた。アニメ作家宮崎駿の世界に出てくる船をイメージして、各所を想像で作り替えたため、実際にはこのような船はない。



28-61

エスメラルダ

Esmeralda

1953 チリ

1/100 ビリングボート社

浅川英明 Hideaki ASAKAWA


「太平洋の白鳥」と呼ばれる美しいチリ海軍の練習帆船。「エスメラルダ友の会」に入会し、昨年、一昨年と来航した時に招待状をいただき艦上パーティーに出席、チリのワインを楽しみながら写真を撮りまくった。人なつこいクルーに作りかけの模型の写真を見せると、艦内をくまなく案内してくれた。この模型は2001年10月来航時の艤装を再現すべく心掛けた。しかし実船を見れば見るほど、どこを再現しどこを省略するか、その際限がわからなかった。



28-62

トロタマーレス

Trotamares 2

1958 スペイン

1/43 マンチュア・セルガル社

肥田 純 Jun HIDA 


現在、モンテカルロのドックヤードでチャーターヨットとして使用されている。木造船らしく想像で改造製作したのでまとめるのが大変だった。また、無い外部とも麦玉で電飾したので配線、塗装に苦労した。インテリアとして飾ったときのきれいさを意図したがある程度できたように思う。



28-63

サー・ウィンストン・チャーチル

Sir Winston Churchill

1966 イギリス

1/75 イマイ

三澤 寛 


1955年から始まった北ヨーロッパのトールシップ(大型帆船)レースは、英国が主催国であるのに大型帆船を持っていなかったことと青少年にシーマンシップを教えるために、1964年にセール・トレーニング・アソシエーションが全国の海事関係団体などから寄付金を集め、エジンバラ侯をスポンサーとして本船の研三を実現させた。船名は第二次大戦時のイギリスの首相にちなんだもの。



28-64

サー・ウィンストン・チャーチル

Sir Winston Churchill

1966 イギリス

1/75 ウッディ・ジョー

赤道達也 Tatsuya AKAMICHI


現役のセール訓練船で、現在は全国各地の教育団体から16歳から21歳までの青年男女を募集し、集団生活とチームワークの訓練を主目的として洋上教育を行っている。子供の新築祝いに格好の船と思い製作を始めたが、意外と手間がかかった。特に現代船であるがゆえの舷側の丸窓の製作と、本来は鋼鉄製である船体とキャビンの塗装、そしてキットのパーツを縮尺に合うように小さく加工するのに大変苦労した。



28-65

サー・ウィンストン・チャーチル

Sir Winston Churchill

1966 イギリス

1/75 イマイ

栗田正樹 Masaki KURITA


工作技術習得のために取り組んだフルリギング第一作目。ただし、帆の装着は取りやめた。休日の作業で製作期間1年半。うち1年を船体、デッキハウス、艤装の製作と塗装に費やした。船体塗装は板貼り後、パテで上塗り、下塗り、水砥ぎを繰り返し、エアブラシで仕上げた。塗料はMr. カラーを調合、白は発色の良い鉄道模型用を使った。

(栗田正樹さんは当会の元会長栗田善一郎氏のご子息。今回初の親子同時出品が実現した)



28-66

海王丸

Kaiwo Maru

1989 日本

1/160 イマイ

高橋治己


基本的にキットの説明書に従い、可能な限り忠実に製作したが、実船の大阪港での見学により一部を変更し、実船に近づけた。さらに実船が停泊中に点灯する電飾を再現した。これにはLED(シャープGL3HY41黄色)を324個と電源としてTDK EAK24-4R2Gを1台使用した。



28-67

ゴーイングメリー

Going Merry

スクラッチビルト

島津智嘉


TVアニメにもなっているONE PIECEで主人公たちが乗っている船。従って架空の船です。やはりもともと二次元でしかなかったものを立体にするということで、いろいろ辻褄が合わず、また本物の帆船からかなりデフォルメされていたりで苦労した。子供のウケを狙ってはみたものの、よく考えれば展示会場で子供さんの姿を見たことはあまりないなあ、ということに今気が付きました。



28-68

エンデバー

Endeavour

1762 イギリス

スクラッチビルト

上野宣孝 Noritaka UENO


イギリスの探検家ジェームス・クックが1768年南太平洋への科学調査に使用したことで知られる。コーレル社のキットに入っていたマニュアルの表紙の絵を使用。姫小松の厚さ18㍉・柾目の木で作成した。細かなところを省略しそれらしく見せることとし、約1㍉の段差で立体感を出すのが面白かった。使用した工具は彫刻刀のみ。



28-69

メイフラワー号の船出(ステンドグラス照明)

Mayflower

宮島俊夫 Toshio MIYAJIMA


宝島の挿画で有名な20世紀初期の画家 NC・ワイエスのメイフラワー号の船出という油絵からデザインを起こした。平らな箱状の照明ならば比較的作業は楽だが、曲面にこだわったのでコーナー部分は細かくガラスを割らねばならず、絵柄にはマイナスだし作業も多くなるが、灯が入ると楽しい。



28-71

ノルマンのイングランド征服(バイユーのタペストリー)

会場壁面ディスプレイ

宮島俊夫 Toshio MIYAJIMA


1066年ノルマンディー公ウィリアムのイングランド征服を記録したバイユーのタペストリーは縦50㌢、長さ70㍍の大絵巻である。これを復元模写し始めたのは10年くらい前だが、近年全場面が載った書籍を知人からいただいたので再び描き始めた。しかし縦18㌢に設定しても全長が25㍍ほどになるので大仕事になった。色彩については原画に一応従っているが、多少は明るく表現した。上下に配置された鳥獣、当時の人々の生活、また首や手を落とされたり鎧を剥ぎ取られる兵士など、物語の進行とともに描いていて興味は尽きるところがない。