―ザ・ロープ40周年記念海外旅行の勝手気ままな記録―
福田正彦
「食事が来るよ」ハントはその背中に向かって言った。「いつもと同じでしょ」ドアの陰からリンの声が返ってきた。「どうしてわかった?」「イギリス人て習慣を変えたがらない人種ですもの」「わざわざ生活をややこしくすることはないからね」(池央耿訳)これはぼくのごひいきのSF作家ジェイムズP. ホーガンの…
朝の4時半、同室の日吉さんはもう起き出してテレビのチャンネルをいじっている。何日かの経験でいうと、この人は同宿の仲間として理想的な人なのだが何しろでかい。ベッドから盛り上がっている。髪の毛も多いしおまけにヒゲまで蓄えて…
午後3時ごろ、見学を終えて皆がバスを待つ間に何やら問題が起こった。少し年配の英国人の女性を囲んで思案の態だ。要するに話が通じない。そこへ石川さんが通 りかかって助け舟を出した。何でも英国大使館のアジア担当広報官がその…
ホテ ル・ジュリス・イン(Hotel Jurys Inn)というのがホテルの名前だがここプリマスの丘の上に建っている。プリマスは「シティかつ単一自治体」(City and Unitary Authority)なんだそうな。牛堂さんの説明によると…
チャールスタウンを発ったのはもう12時も20分を過ぎていた。昼はフォイの街中で食べるからということになっている。この湾の反対側にあるフォイは距離的には近いが、バスややっぱり丘の道を延々と走る。…
6月 21日、この日はプリマスからポーツマスまで足を延ばすから8時には出発だ。日吉さんと二人で6時半には朝食、日本にいたら夢の中だ。例によってリンゴ ジュース、フライドエッグ、ベーコン、果物、ヨーグルト、…
12 時にバスはここを出て45分後にポーツマスに入った。街中というよりちょっと外れという感じの家並みにあるグリーン・ポスツというレストランで昼食。ここ も予約済みのところでグリーンピース添えチキン、サラダ、フライドポテトと…
6月 22日月曜日、久しぶりに雨が降った。イギリスといえば雨と連想するのに、幸いわれわれは晴天に恵まれていたのだ。まあたまには雨もいい。しかしかなり肌寒いのに驚く…
朝食を終えて朝の8時半、牛堂さんがやってきて今日はバスはなしです、という。そう、われわれが希望して地下鉄とリバー・バスという交通手段を使う。ロンドン の地下鉄は…
カティサークを十分に堪能して、お土産屋で気に入ったペンダントを買い、ここを辞して11時6分に国立海事博物館(National Maritime Museum)に入る。ここはいろいろ目移りするほどの展示かって、…
最終日、この日の団体行動はない。みんな自由に行動するのだ。とはいってもああそうですかと言って好きなところに行くという仲間は少ない。旅行前からど こにしようかと…
旅には三つの楽しみがある。ワクワクと準備をする楽しみ、実際に旅をする楽しみ、そして、帰ってから反芻する楽しみだ。歳を取るにつれて比重はどうしても後半に移ってゆく。準備が面倒だったり、そのために実際に目にするものが…