サザンイングランドを旅して

―ザ・ロープ40周年記念海外旅行の勝手気ままな記録―

 
福田正彦 


INDEX

 

はじめに

「食事が来るよ」ハントはその背中に向かって言った。「いつもと同じでしょ」ドアの陰からリンの声が返ってきた。「どうしてわかった?」「イギリス人て習慣を変えたがらない人種ですもの」「わざわざ生活をややこしくすることはないからね」(池央耿訳)これはぼくのごひいきのSF作家ジェイムズP. ホーガンの…

ザ・ ロープ創立40周年にあたり記念行事の一つとして企画したイギリス南部のツアー。2015年6月17日(水)から11日間の日程で、ロンドンを起点にして、西のブリス トル、西南のプリマスと近郊の港町、南岸のポーツマスを廻り、ひとたびロンドンに戻りグリニッジとチャタムを巡る旅である。参加者は15名。

ビクトリーを前に(クリックで拡大)
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1.ロンドン

London

成田から乗ったブリティッシュ・エアウエイズ006便の機材はボーイング777-300だった。離陸から着陸まで11時間56分の空旅で、これはかなりきつい。この飛行機はそれでもなかなか快適で天井も高いのだが、昭和初期の男性平均の身長には…

 

 

 

 

2.ブリストル

Bristol(その1)

朝の4時半、同室の日吉さんはもう起き出してテレビのチャンネルをいじっている。何日かの経験でいうと、この人は同宿の仲間として理想的な人なのだが何しろでかい。ベッドから盛り上がっている。髪の毛も多いしおまけにヒゲまで蓄えて…

 

 

 

 

3.ブリストル

Bristol (その2)

午後3時ごろ、見学を終えて皆がバスを待つ間に何やら問題が起こった。少し年配の英国人の女性を囲んで思案の態だ。要するに話が通じない。そこへ石川さんが通 りかかって助け舟を出した。何でも英国大使館のアジア担当広報官がその…



 

 

 

 

4.プリマス

Plymouth

6月 19日の金曜日、今日も快晴で気持ちがいい。5時半に起き出したがバスタオルが1枚しかないと日吉さんがフロントに電話して追加してもらっている。慣れた ものだ。ぼくはそれにただ乗り。6時半には朝食。定例の食事だが、この日は…

 

 

 

 

5.ブリックハム

Brixham

というわけで、われわれは13時47分にプリマスを出て14時50分にブリックハムに着いた。ここでのお目当てはもちろんのことゴールデン・ハインドだ。ここ ブリックハムは英国のリビエラと呼ばれているそうで、白亜の建物が軒を連ね、港には…

 

 

 

 

6.チャールスタウンCharlestown

ホテ ル・ジュリス・イン(Hotel Jurys Inn)というのがホテルの名前だがここプリマスの丘の上に建っている。プリマスは「シティかつ単一自治体」(City and Unitary Authority)なんだそうな。牛堂さんの説明によると…



 

 

 

 

7.フォイ & ポルペロ 

Fowey & Polperro

チャールスタウンを発ったのはもう12時も20分を過ぎていた。昼はフォイの街中で食べるからということになっている。この湾の反対側にあるフォイは距離的には近いが、バスややっぱり丘の道を延々と走る。…

 

 

 

 

8.サウサンプソン Southampson

6月 21日、この日はプリマスからポーツマスまで足を延ばすから8時には出発だ。日吉さんと二人で6時半には朝食、日本にいたら夢の中だ。例によってリンゴ ジュース、フライドエッグ、ベーコン、果物、ヨーグルト、…

 

 

 

 

9.ポーツマス

Portsmouth1

12 時にバスはここを出て45分後にポーツマスに入った。街中というよりちょっと外れという感じの家並みにあるグリーン・ポスツというレストランで昼食。ここ も予約済みのところでグリーンピース添えチキン、サラダ、フライドポテトと…



 

 

 

 

10. ポーツマス 

Portsmouth2

6月 22日月曜日、久しぶりに雨が降った。イギリスといえば雨と連想するのに、幸いわれわれは晴天に恵まれていたのだ。まあたまには雨もいい。しかしかなり肌寒いのに驚く…

 

 

 

 

11.グリニッジ 

Greenwich1

朝食を終えて朝の8時半、牛堂さんがやってきて今日はバスはなしです、という。そう、われわれが希望して地下鉄とリバー・バスという交通手段を使う。ロンドン の地下鉄は…

 

 

 

 

12.グリニッジ 

Greenwich2

カティサークを十分に堪能して、お土産屋で気に入ったペンダントを買い、ここを辞して11時6分に国立海事博物館(National Maritime Museum)に入る。ここはいろいろ目移りするほどの展示かって、…



 

 

 

 

13.チャタム 

Chatham1

ロンドンの街中を流れるテムズ川が西に流れ、河口に達して海に入るその南にメドウェイ川があり、その河口付近が有名なノア泊地だ。この川の下流にロチェス ターという街があり、その少し先にチャタムがある。…

 

 

 

 

14.チャタム 

Chatham2

11 時半の案内予約ですからと、潜水艦オセロットを見に行く。その昔ぼくは海軍士官になって潜水艦に乗りたかったのだ。夢が叶わなくて今日があるのだが、それ ゆえに潜水艦には大変な興味がある。オセロットはここ…

 

 

 

 

15.自由行動

ハンプトンコート・パレス

最終日、この日の団体行動はない。みんな自由に行動するのだ。とはいってもああそうですかと言って好きなところに行くという仲間は少ない。旅行前からど こにしようかと…



イギリスという国

(旅行の感想)

長いあいだ仇敵だったフランスと相対して、イギリス海峡に面した軍港や漁港が並ぶ海岸がサザンイングランドだ。ホーンブロアもボライソーも、コンウォール 地域を含めたこの海岸をわが庭のように航海し停泊したこところでもある。ここを巡り歩くのは船キチには垂涎ものといっていい。今回はそんな旅行

 

 

 

おわりに

 

旅には三つの楽しみがある。ワクワクと準備をする楽しみ、実際に旅をする楽しみ、そして、帰ってから反芻する楽しみだ。歳を取るにつれて比重はどうしても後半に移ってゆく。準備が面倒だったり、そのために実際に目にするものが…



48-09  Beaver  1/64 scratch-built by SATO Kenji
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