I. 海洋小説・物語


海の覇者トマス・キッド8 謎の私掠船を追え  The Admiral’s Daughter

強制徴募によって海軍入りした若者(キッド)が、水兵から提督に昇りつめる波瀾万丈の物語。やっと第8巻が発行された!再びHMSティーザー号の艦長になったキッドは、英仏海峡に面するプリマス周辺の巡視と私掠船掃討に乗り出す。作者は、初めて母国の海を舞台にして物語を進める。 中でも、プリマス海軍基地や海軍工廠の詳細、そして貴族階級の生活が描かれており興味津々である。又イギリス南海岸のコーウオール半島海岸沿いの描写は、印象的で想像を逞しくさせてくれる。 今回は、迫力ある私掠船追跡シーンと並行してキッドの恋の行方も採り上げている。

訳者は、大森洋子さん。第9巻の発行が待たれる。


海の覇者トマス・キッド7 新艦長、孤高の海路 COMMAND

本を読み始めるといつもの事ながら、主人公になったつもりであっという間に読了する。20才で強制徴募されて英国海軍戦列艦の乗員になったトマス・キッドは、いよいよブリック型スループ艦ティーザー号の海尉艦長に任命される。この巻では、華々しい海戦描写もさることながら、キッド艦長の重責と、長としての孤独に試行錯誤しながら打ち勝っていく心理描写が面白い。そして・・・・後は読んでのお楽しみ。帆船模型マニアには帆船用語が解りやすいことから臨場感を感じながら読める、お薦めの一冊である。翻訳は、当会でも縁が深い大森洋子さん。


カリブの大海賊・バーソロミュー・ロバーツ  The Real Pirate of the Caribbean Black Barty

「楽しく短い人生、それが おれの主義だ。手綱つけられて生きるやつなんぞ、くそっくらえだ」」ひとりのイギリス人船乗りが、ある日を境に海賊になった。そういう時代だった。やがて彼は、厳格な規律と度肝を抜く戦略で”海の英雄”となる。海賊たちとその時代を描き尽くした本である。 訳者は大森洋子さん。


ジョン・マン 波濤編・大洋編

わずか14才、寺子屋にも通えなかった中濱村(現高知県土佐清水市)の貧しい漁師、万次郎が鎖国日本から身一つで、初めてアメリカに渡り西洋文明の中で暮らした。日本人として初めて高等教育を受け、後にペリーが黒船艦隊で日本に来た時、通事として植民地化を防いだ男の物語です。

A5版ハードカバーで波濤編290頁、大洋編310頁


No 書籍名 出版社
1 1~    ホーンブロワーシリーズ  早川書房
2 1~    海の覇者トマス・キッドシリーズ 早川書房
3 1~    英国海軍の雄ジャック・オーブリーシリーズ  ハヤカワ文庫 
4 キャプテン・クック最後の航海 ハモンド・イネス(池 史耿訳)/パシフィカ、プレジデント社 
5 カリブの海賊史 ジョルジュ・ブロン(三輪秀彦訳)/早川書房
6 北から来た黒船 ニコライ・ザドルノフ(西本昭治訳)/朝日新聞社
7 アフリカの女王 C.S.フォレスター/伊藤 礼訳/フジ出版社
8 航海術(海に挑む人間の歴史) 茂在寅男/中公新書
9 ホレーショ・ホーンブロワーの生涯とその時代 C.N.パーキンソン(出光 宏訳)/至誠堂新書59
10 帆船航海記(Two Years before the Mast) R.H.デーナー(千葉宗雄監修)/海文堂
11 「炎の提督」ホレイシオ・ネルソン 豊田 穣/毎日新聞社
12 1,2    ネルソン提督伝(上、下) ロバート・サウジー(山本史郎訳)/原書房
13 トラファルガル海戦 ジョン・テレン(石島晴夫訳)/原書房
14 帆船時代 田中 航/毎日新聞社
15 戦艦の世紀 田中 航/毎日新聞社
16 蒸気船    田中 航/毎日新聞社
17 バウンティ号の反乱 Richard Hough(金田真澄訳)/フジ出版社
18 海の人物史 尾崎秀樹/TBSブリタニカ
19 スプレー号世界周航記 キャプテン・ジョシュ・スローカム(高橋泰邦訳)/草思社
20 リブ号の航海 小林則子/文藝春秋
21 コロンブス(不可能を征服した男) フェリペ・フェルナンデス=アルメスト(永井淳訳)/草思社
22 朝鮮通信使の旅 辛基秀・仲尾宏編著/明石書店
23 クックの航海 P.ベントゥーラ絵 J.P.チェゼラーニ文 吉田悟郎訳/評論社
24 コロンブスの航海 P.ベントゥーラ絵 J.P.チェゼラーニ文 吉田悟郎訳/評論社
25 輪切り図鑑 「大帆船」 S.ビースティ画 R.プラット文 北森俊行訳/岩波書店
田中 航/毎日新聞社
 42-27 オランダ海軍省の造艦会議 1:33 坪井悦朗 TSUBOI Etsuro
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